国際大学グローバル・コミュニケーション・センター主幹研究員で准教授の山口真一氏が8月14日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演し、いわゆる「ネット世論」について、辛坊と対談。山口氏が「ネット世論は少数の声が大きく見えてしまう」と解説したことを受け、辛坊は「それをメディが取り上げるのがよくない」と指摘した。

少数の声が大きく見えてしまうネット世論 「それをメディアが取...の画像はこちら >>

※イメージ

政治や社会問題に関する主張を一斉に投稿する「ツイッターデモ」。ブランド名が変わったことで、「Xデモ」というようになるのか―。そんな疑問はさておき、検察庁法改正を巡ってツイッターデモが大きな力を発揮したことを記憶している方も多いのではないだろうか。昨今、政治的にも大きな意味を持つようになったツイッター改めXがつくるネット世論を、私たちはどう捉えるべきなのか―。

山口)SNS(交流サイト)は、能動的な発信しかない言論空間です。つまり、言いたいことがある人だけの世界だということです。通常のマスメディアが行っている世論調査であれば、「聞かれたから答える」という受動的な発信になります。このため、社会の意見分布に極めて近い結果になります。一方で、 SNSは言いたいことのある人が大量に発信する世界であるため、極端な意見や強い思いを持っている人の意見がものすごく多く投稿されます。

一例を挙げますと、「#自民党の回答を求めます」「#立憲民主党の回答を求めます」がはやったことがあります。「#自民党の回答を求めます」に関して、旧ツイッターのテキスト分析をすると、4.3%のユーザーが半数の拡散をしていたことが分かっています。それぐらい少数の声がものすごく大きく見えてしまうわけです。

ですから、マスメディアがそうした声を取り上げてしまうと、少数の意見にお墨付きを与えてしまうということが起りえる懸念があります。

辛坊)要するに、極論を口にする人や声が大きい人が、やたらに目立つ言論空間だということですよね。私も、それが非常に問題だと思っています。大手のマスメディアもその問題を分かっているはずなのに、あたかも一般論のような伝え方をすることがあります。よくないですよね。

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