老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。
そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

今回は、「第3号被保険者」についてです。

■Q:63歳になる夫は、60歳前と何も変わらず働いています。妻の私は第3号被保険者からはずされている状態なのでしょうか?
「厚生年金に加入している会社員の夫が60歳になると必然的に妻は第3号からはずされると聞いたのですが、今年の5月で63歳になる夫はまだ定年退職をしておらず、60歳前と何も変わらず働いています。年金事務所からもなんの連絡もないのですが、妻の私は第3号からはずされている状態なのでしょうか?」(みっくんち)

■A:基本的に65歳未満の夫が在職中で厚生年金に加入していれば、扶養されている妻は60歳になるまでは第3号被保険者となりますが、60歳を超えると第3号被保険者からはずれています
相談者「みっくんち」さんは「国民年金の第3号被保険者からはずされている」ことを心配しているようですね。

そもそも70歳未満の会社員や公務員等は、厚生年金被保険者となります。
そして基本的に65歳未満の厚生年金の被保険者に扶養されている配偶者で、20歳以上60歳未満、原則として年収130万円未満の人を「国民年金の第3号被保険者」といいます。

「みっくんち」さんの夫は、60歳以降も会社に在職中で、継続して厚生年金に加入中とのこと。したがって妻である「みっくんち」さんが60歳未満で、そのほかの条件も当てはまるのであれば、引き続き、夫の厚生年金の扶養に入っていることになり、国民年金の第3号被保険者となります。

ただし「みっくんち」さんが60歳を過ぎている場合は、国民年金の第3号被保険者からははずれています。

気になるようであれば、現在の夫婦の厚生年金保険の記録を、年金事務所に確認することをおすすめいたします。

文:拝野 洋子(ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士)

銀行員、税理士事務所勤務などを経て自営業に。
晩婚で結婚・出産・育児した経験から、日々安心して暮らすためのお金の知識の重要性を実感し、メディア等で情報発信を行うほか、年金相談にも随時応じている。