老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。
そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

今回は、特別支給の老齢厚生年金についての質問です。

■Q:昭和41年3月生まれです。特別支給の老齢厚生年金は今手続きすれば、すぐ受け取れますか? 障害があってももらえますか?
「昭和41年の3月生まれなんですけど、特別支給の老齢厚生年金は今手続きすればすぐもらえるんですか? 障害があってももらえるんですか?」(くくるさん)

■A:相談者さんが女性で、厚生年金の被保険者期間が1年以上あると、64歳から『特別支給の老齢厚生年金』が受け取れます。障害があるからということは関係ありません
相談者は特別支給の老齢厚生年金を受給できるのかどうか、ということが知りたいようです。

結論からいうと、相談者さんが女性で、厚生年金の被保険者期間が1年以上あるなど受給要件を満たせば、64歳から『特別支給の老齢厚生年金』が受け取れます。
障害があるからということは関係ありません。

ただし、相談者が今までに障害基礎年金・障害厚生年金をもらっているとなると、『特別支給の老齢厚生年金』と同時にはもらえませんので、いずれか選択することになります。

『特別支給の老齢厚生年金』は、昭和60年の年金制度の法律改正で年金の受給開始年齢が引き上げられたことに伴い、設けられた制度になります。

『特別支給の老齢厚生年金』を受け取れる人は、次の受給要件を満たす必要があります。

▼特別支給の老齢厚生年金の受給要件●男性:昭和36年4月1日以前生まれの人。
●女性:昭和41年4月1日以前生まれの人。

●老齢基礎年金の受給資格期間(10年)がある人。
●厚生年金保険等の被保険者期間が1年以上ある人。
●生年月日に応じた受給開始年齢に達している人。

▼特別支給の老齢厚生年金の受給開始年齢特別支給の老齢厚生年金は生年月日と性別によって、受給開始年齢が異なります。
昭和41年の3月生まれなんですけど、特別支給の老齢厚生年金は今手続きすればすぐもらえるんですか? 障害があってももらえるんですか?
生年月日と性別に応じた特別支給の老齢厚生年金の受給開始年齢(日本年金機構ホームページより)

相談者が女性であれば、画像の表より、厚生年金の被保険者期間が1年以上あると、64歳から『特別支給の老齢厚生年金』が受け取れます。男性であれば、特別支給の老齢厚生年金をもらうことはできません。


監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)

都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。