老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。
そんな年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。

今回は、在職老齢年金の計算に退職金も含めるのかについてです。

■Q:退職金の半分を10年間にわたってもらっています。この収入も在職老齢年金の計算に含まれますか?
「退職金の半分を年間64万円ずつ10年間にわたり、もらっています。この収入も在職老齢年金の計算をするときに、収入として含まれますか?」(せっちゃん)

■A:在職老齢年金制度の計算で用いる収入に退職金は含まれません
60歳以降も厚生年金に加入しながら働き、さらに年金を受給する場合は「在職老齢年金制度」により、老齢厚生年金の一部または全部が支給停止されることがあります。

年金がカットされる収入基準とは、「月給+ボーナスの12分の1+老齢厚生年金の月額=50万円超」になる場合です。


在職老齢年金制度で支給停止になるかどうかの計算に使われるのは厚生年金に加入しながら得られた「月給」や「ボーナス」、「老齢厚生年金額」のみで、退職金などの収入は含まれません。

ちなみに退職金の収入だけではなく、自営業での収入や、個人年金保険の満期金、株式投資等で得た収入についても、「在職老齢年金制度」を計算する際には含まれません。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)

都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。