今回は、特別支給の老齢厚生年金と加給年金は同時にもらえるのかについてです。
■Q:1962年12月生まれの女性です。63歳から特別支給の老齢厚生年金が支給されます。同時に加給年金ももらえる?
「1962年12月生まれの女性です。30年ほど会社員をしています。63歳から特別支給の老齢厚生年金を受け取る予定です。加給年金も同時にいただけるのでしょうか? なお、夫は私より年下で収入が少ないです」(匿名希望)
■A:加給年金は63歳からは支給されません。65歳に到達した時点で、夫が支給要件を満たしていれば、65歳から老齢厚生年金に上乗せして受け取れます
加給年金額が支給されるのは、原則として65歳に達したときです。加給年金は、厚生年金の加入期間が原則20年以上ある方が、65歳時点で生計を維持している65歳未満の配偶者などがいる場合に支給される年金です。
相談者の方は、63歳から特別支給の老齢厚生年金を受け取るとのことですが、加給年金は65歳からの老齢厚生年金に加算されるものであるため、63歳の時点では支給されません。特別支給の老齢厚生年金は、生年月日や性別によって60代前半から受け取れる制度であり、加給年金と同時に支給されるものではありません。
ただし、相談者が65歳に到達した際に、次の要件を満たしていれば、65歳から加給年金が支給されます。
・配偶者(夫)が65歳未満であること
・配偶者と生計を同一にしていること
・配偶者の年収が850万円未満、または所得が655万5000円未満であること
令和7年度の加給年金額は、基準額23万9300円に加えて特別加算17万6600円(※昭和18年4月2日以後生まれの方が対象)があり、合計で年額41万5900円が支給されます。
なお、加給年金は配偶者(夫)が65歳になるまでの期間に限って支給されます。加給年金を受け取るためには、年金事務所への届け出が必要です。忘れずに年金事務所へ申請を行いましょう。詳細は、最寄りの年金事務所に問い合わせて確認することをおすすめします。
監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。