特に、お金のことはどんな場合も漠然とした不安を抱えがちです。
■1:まずは上半期の「家計の棚卸し」から
暑さの厳しいこの時期は、外出も体力を使います。そんなときこそ、エアコンの効いた涼しい部屋で、ゆったりと家計の見直しをしてみてはいかがでしょうか。
1年の折り返しを迎えた今、1~6月の「お金の使い方」を振り返ることが、下半期を気持ちよくスタートさせる第一歩になります。
「どんなことに、どれくらいお金を使ったのか」「無駄な出費はなかったか」をチェックしてみましょう。家計の支出は、大きく分けて「固定費」と「変動費」があります。
▼固定費:見直すほど節約効果が続く支出固定費とは、毎月決まって支払うお金のこと。家賃や保険料、通信費、サブスクリプションサービス利用料などがこれにあたります。
固定費は一度見直すと、節約効果が長く続くのが大きなメリットです。例えば、不要なサブスクリプションサービスを解約したり、保険の内容を見直したりするだけでも、月々の支出をぐっと抑えられる可能性があります。
▼変動費:突発的な出費も、リスト化で対策を変動費は、月によって増減がある支出のことです。
例えば車検は2年に1回、家電の買い替えは10年に1度程度と言われています。こうした支出は、事前にスケジュールや予算を組んでおくと、突然の出費で慌てることも減ります。
家の中の家電について、「いつ購入したか」「次に買い替えが必要そうな時期はいつか」をリスト化しておくのもおすすめです。そうすることで、将来の大きな出費にも落ち着いて備えられます。
■2:目的を明確にして「お金の流れ」を整える
なんとなくお金の不安を感じている……。
その多くは、「将来の備えが足りていないかも」という気持ちからきていることが多いものです。そうした不安を減らすには、まず「貯金の習慣」を見直してみることが大切です。
▼先取り貯蓄+「目的」と「期限」のセットで習慣化を「お金が余ったら貯金しよう」と思っていても、なかなか毎月安定してお金を貯めるのは難しいものです。気付けば使い過ぎていて、貯金に回せるお金が残らない……ということも。
そんな方におすすめなのが、「先取り貯蓄」という方法です。これは、給料が入った時点でまず貯金分を取り分けておくやり方で、ムリなく、確実に貯金が続けられる習慣になります。
さらに、「何のために」「いつまでに」貯めたいのかという目的と期限を決めておくと、やる気が続きやすくなります。
例えば、
・3年後に旅行へ行くために30万円
・60歳までに500万円の老後資金
など、目標が明確だと、毎月どのくらい貯めればいいか逆算しやすく、家計管理の指針にもなります。
▼「収入を増やす工夫」も視野に入れて「節約もしているのに、なかなか貯金に回せるお金がない……」という方は、収入を増やす方法にも目を向けてみましょう。
例えば、収入アップにつながる資格の取得や、今より条件のよい職場への転職を検討するのも1つの方法です。
また、勤務先が副業を許可している場合は、在宅ワークや副業にチャレンジしてみるのもおすすめです。
将来に向けての安心感は、「貯金がどれだけあるか」だけでなく、今後も働けるスキルや収入源があるかどうかにも大きく左右されます。ムリのない範囲で、自分に合った働き方を探しましょう。
■3:ふるさと納税を賢く活用(2025年制度改正に注意!)
ふるさと納税は、応援したい都道府県や市区町村に「寄附」ができる制度です。
寄附した分のうち自己負担は基本的に2000円だけで、それ以外の金額は所得税や住民税から差し引かれる(控除される)仕組みになっています。
寄附先の自治体からは、お礼として地域の名産品や特産品などがもらえるのも魅力。ただし、控除を受けられる金額には上限があり、これは年収や家族構成などによって異なります。
▼年末ギリギリでは間に合わない?上限額のチェックを早めに2025年にふるさと納税を行う場合、控除の上限額は2025年の年収が基準になります。正確な金額は年末にならないと確定しませんが、前年の年収を参考にして、ふるさと納税サイトで上限額をシミュレーションしておくのがおすすめです。
▼ポイント還元は2025年9月で終了これまで「楽天ふるさと納税」や「さとふる」などのポータルサイトを使って寄附をすると、買い物と同じようにポイントがもらえるという仕組みがありました。しかし、2025年10月からこのポイント還元制度が廃止される予定です。
そのため、おトクに活用したい方は、10月までに上限額の6~7割を使っておくとよいでしょう。
■「不安」は“行動”で小さくできる!
なんとなく感じるお金の不安。その多くは「将来への備えが足りないかも」という思いから生まれます。知らないままでいると、不安は大きくなるばかり。まずは家計を見直し、目的を持って少しずつ備える行動につなげましょう。
文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)
会計事務所、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として勤務後、FPとして独立。人と比較しない自分に合ったお金との付き合い方を発信。3匹の保護猫と暮らす。