老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。
そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、老齢年金を繰り上げ受給した場合の障害年金について知りたい方からの質問です。

■Q:老齢年金を繰り上げ受給すると障害年金を請求できないと聞きました。65歳になれば請求できるようになりますか?
「昭和40年3月生まれの女性です。老齢年金を繰り上げ受給している人は障害年金を受けられないと聞きました。この場合、65歳になっても障害年金を受けることはできないのでしょうか?」(ぶたた)

■A:繰り上げ請求後は、事後重症による障害年金の請求ができなくなります。65歳になっても、請求できるようにはなりません
老齢年金を65歳になる前に繰り上げ請求すると、その後、病気やけがが悪化して障害等級に該当する状態になったとしても、「事後重症」による障害年金を請求することはできません。

事後重症による請求とは、障害認定日の時点では障害等級に該当する状態ではなかったものの、その後症状が悪化して障害等級に該当するようになった場合に行う請求です。

事後重症による障害年金は、原則として65歳に達する日の前日までに請求する必要があります。また、65歳前であっても、老齢基礎年金を繰り上げ請求した後は事後重症による請求ができません。

そのため、ぶたたさんがすでに老齢年金を繰り上げ受給している場合、65歳になったからといって、それまでできなかった事後重症による障害年金の請求ができるようになるわけではありません。

ただし、「老齢年金を繰り上げ受給すると、どのような場合でも障害年金を請求できなくなる」というわけではありません。


例えば、繰り上げ請求をする前の障害認定日の時点ですでに障害等級に該当する状態だった場合には、「障害認定日による請求」ができる可能性があります。

つまり、「事後重症による請求」と「障害認定日による請求」では取り扱いが異なります。

持病がある人や治療中の病気がある人が老齢年金の繰り上げを検討する場合は、将来の障害年金に影響する可能性があります。繰り上げ請求をする前に、年金事務所などで確認しておくとよいでしょう。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
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