老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。
そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、会社員を辞めてフリーランスとして働いた場合の在職老齢年金について知りたい方からの質問です。

■Q:会社員を辞めてフリーランスとして働けば、在職老齢年金で年金は減額されない?
「老齢厚生年金を受け取りながら会社員として長く働き、給与と年金額が一定の基準を超えたため、在職老齢年金によって年金の一部が支給停止になっていました。もし会社員を辞めて、フリーランスとして仕事を続けていた場合、在職老齢年金による支給停止はなかったのでしょうか?」(よーちゃん)

■A:厚生年金に加入せず、フリーランスとして得た収入は、原則として在職老齢年金による支給停止の計算には入りません
在職老齢年金とは、老齢厚生年金を受け取りながら厚生年金に加入して働く場合などに、給与や賞与と老齢厚生年金の額に応じて、老齢厚生年金の一部または全部が支給停止になる仕組みです。

2026年4月からは、給与や賞与をもとに計算した「総報酬月額相当額」と、老齢厚生年金の「基本月額」の合計が月65万円を超えると、超えた額の2分の1に相当する老齢厚生年金が支給停止されます。

一方、会社を退職し、厚生年金に加入せずフリーランスとして働く場合、フリーランスとして得た事業収入などは、原則として在職老齢年金の計算に使う「総報酬月額相当額」には含まれません。

そのため、フリーランスとしての収入が多くなったからといって、それを理由に在職老齢年金によって老齢厚生年金が支給停止されることは原則としてありません。

ただし、「フリーランスなら年金が減らないので会社員より得」と単純に考えることはできません。

会社員として厚生年金に加入して働けば、保険料の負担はありますが、その加入期間や報酬が将来の老齢厚生年金額に反映されます。また、健康保険など社会保険の違いもあります。

もし現在も会社員を続けるか、フリーランスとして働くかを悩んでいる場合は、在職老齢年金による支給停止だけでなく、将来受け取る年金額や社会保険なども含めて考えることが大切です。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。
相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
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