■「固定5年」は年2.24%まで上昇
日本銀行(日銀)は、9月の金融政策決定会合で利上げを行い、政策金利を1%から1.25%へ引き上げました。

個人向け国債の金利も高くなっています。
2026年9月募集分は、「固定5年」が年2.24%、「固定3年」が年1.96%、「変動10年」の初回金利が年1.95%です。

固定5年を100万円購入して満期まで保有すると、5年間の利子は税引前11万2000円です。

■もっと金利が上がるまで待つ?
例えば、固定5年が半年後に年2.50%まで上がった場合、100万円なら年2.24%との利子の差は年間2600円、5年間で税引前1万3000円です。

それなら待った方がよさそうですが、半年後に年2.50%になる保証はありません。反対に年2%へ下がっている可能性もあります。

さらに、待っている間のお金を普通預金に置けば、その期間は固定5年より低い金利になる可能性があります。「もっと高くなるまで待つ」ことにもデメリットがあるのです。

■金利のピークは後にならないと分からない
「日銀の利上げが終わってから固定すればいい」と考える人もいるでしょう。しかし、個人向け国債の固定金利は市場の国債利回りをもとに決まります。市場金利は実際の利上げだけでなく、今後の日銀の金融政策を先回りして動くことがあります。

そのため、日銀の利上げ終了を確認したときには、市場金利がすでに低下している可能性もあります。金利のピークを確認してから買おうとしても、実際にはピークを過ぎてから気付くことが多いのです。


■100万円なら時期を分ける方法も
そこで、一度に全額を固定しない方法があります。例えば、100万円なら、50万円を現在の固定5年で購入し、残り50万円は普通預金などに置いておきます。

その後、個人向け国債の金利が上がれば、残り50万円を新しい金利で購入できます。反対に金利が下がっても、最初の50万円は年2.24%を維持できます。

個人向け国債は毎月募集されているため、購入時期を分けることができます。

■「最高金利」を狙わなくてもいい
固定5年の年2.24%を現在の金利として十分と考えるなら、一部を固定し、残りを次の機会に回す方法があります。

今後さらに金利が上がると考えるなら、半年ごとに金利が見直される変動10年と組み合わせてもよいでしょう。

「一番高い金利で買う」ことより、いつ使うお金なのかを考えながら、購入する時期や商品を分ける。金利上昇局面では、こうした方法の方が現実的でしょう。

※個人向け国債の金利は財務省が公表している2026年9月募集分を参照。固定5年は第186回債・年2.24%、固定3年は第196回債・年1.96%、変動10年は第198回債・初回年1.95%です。募集期間は2026年9月3~30日、発行日は10月15日です。


文:田代 昌之(金融文筆家)
新光証券(現みずほ証券)やシティバンクなどを経て金融情報会社に入社。アナリスト業務やコンプライアンス業務、グループの暗号資産交換業者や証券会社の取締役に従事し、2024年よりフリー。ラジオNIKKEIでパーソナリティを務めている。
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