『呪術廻戦』第2クールOPテーマ『VIVID VICE』や『NIGHT HEAD 2041』OPテーマ『Icy Ivy』などの楽曲で多くのファンを魅了し続けるWho-ya Extendedが、待望のセカンドフルアルバムを遂にリリース! 気になるアルバムの内容はいかなるものになったのか、ボーカル・Who-yaさんに話をうかがった。

──ファン待望の2ndアルバム『WII』がついにリリースされました。
制作にあたってのコンセプトなどはありましたか。

Who-ya 1stフルアルバム『wyxt.』を去年の4月にリリースしてから約一年半が経ちますが、Who-ya Extendedにも大きな変化がありました。特にYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」に出演したこと、そして8月に開催されたはじめての有観客のライブは僕にとって大きな転換点となった出来事だったと思っています。
そうした経験をエッセンスに進化を続けるWho-ya Extendedの今の景色を全12曲の楽曲を通して皆さんに感じてもらいたい――今回のアルバムは、そんなコンセプトで作った一枚となりました。

──アルバムタイトル『WII』の由来はどんなところから?

Who-ya まず、そのままWho-ya Extendedの2枚目のアルバムという意味ですね。もう一つは、1st EP『VIVID VICE』の頭文字Vを二つ並べると「W」、2nd EP『Icy Ivy』の頭文字Iを並べると「II」になるんです。
それを足して『WII』という若干シャレ的なダブルミーニングとなっています。僕としてもシンプルで分かりやすいタイトルがいいかな、とこれに決めさせてもらいました。

──アルバムの制作はどういう流れで?

Who-ya アルバム用に制作した新曲で最初に作ったのはリード曲の『Wander Wraith』。これはもともと今年8月に開催された初の有観客ライブのアンコールの時に会場限定で初披露させてもらった曲で、今回はこの曲を軸にして作っていくことになりました。
アルバム冒頭の『WII―prologue―』も、そのライブでSEとして使っていた曲です。僕にとって特別なものとなったライブ空間を切り取ってアルバムに組み込んでみました。
そしてラストの『WII ―epilogue―』は、この曲に歌と歌詞を付けてWho-ya Extendedはどういうものかを僕なりに言語化した曲になっています。この2曲を開幕と終幕にもってくることで、一つの映画のような物語性のあるアルバムに仕上がったと思います。

──アルバムに1st EP『VIVID VICE』と2nd EP『Icy Ivy』を収録することで、どんな化学反応が生まれたと考えますか?

Who-ya 『VIVID VICE』は主題歌となったTVアニメ『呪術廻戦』で描かれる人間のリアルで生々しい部分をキーワードに作ったこともあって、これまでにはなかったバンドっぽい生音重視のロックサウンドになっています。対して『Icy Ivy』の方はWho-ya Extendedらしい、ちょっとディストピア調というか荒れ狂ったダークな感じの曲ですね。
両極端の2曲なんですが、逆にこの2曲でアルバムを挟み込むことで、何をやっても許されちゃうような内容になったんじゃないかなって僕は思っています(笑)。

──『VIVID VICE』の後に、新曲が3曲並んでいますね。


Who-ya この3曲の順番は割と音感重視で決めています。まず『Discord Dystopia』は退廃した世界で独りで立っている景色をイメージした曲。イントロのギターが一曲通してずっと鳴っているのが特徴的で、そこに注目して聴いてもらえたらと思います。

──続く『Wander Wraith』、『MESSY WORLD』は?

Who-ya 8月のライブで新曲の初披露を決めていたんです。でも、いきなりだと皆さんもビックリするでしょうし、自分も若干のドキドキがありましたから(笑)、知らない人でもサビで盛り上がれるアップテンポでバウンスできる曲に仕上げたのが『Wander Wraith』です。

ポイントは「薄情な静寂に着想を縋り葛藤」と韻を踏んでいる歌詞の部分ですね。
収録した歌のデータをEDITでぶつ切りにした上で張り直しているので、ライブの時とはちょっと耳馴染みが違っていると思います。そういう遊び心的な面白さも詰め込んだ曲です。

『MESSY WORLD』はコロナ禍の理不尽な現状をテーマにした曲ですね。世界中の人が感じた、行くあてのない怒りや悲しみが歌詞とサウンドで表現されています。

──アルバム後半に収録された『Absolute 0』と『透明な花』については?

Who-ya 『Absolute 0』はサウンドが特徴的な曲ですね。イントロから聴き馴染みのいいギターのリフがあって、悲しい歌詞でありながらメロディアスな曲調というギャップ、上がりそうで上がらない微妙なサビ感などを意識して聴いてもらえると。


『透明の花』は僕たちとしては初めて日本語のタイトルを付けた曲となります。誰もが持っている祈りや願いをテーマに歌った曲なんですが、とても難しくて……収録した曲の中でこれが一番レコーディングに時間がかかりました。

──そもそもWho-ya Extendedの曲は歌うのが難しいものばかり、という印象が強いのですが、Who-yaさんご自身もレコーディングは大変なんですか?

Who-ya もちろん大変ですよ、僕も楽に歌えているわけではないので(笑)。Who-ya Extendedは ”現実寄りの非現実” みたいなところを狙っていまして、それを楽曲の形で表すとなると言葉数が多くなったり、ボカロっぽいメロディになったりすることが多くなるんです。
なので、「よし、あとは歌録りだ」ってなった時に「こんなメロにしてしまったのは誰だ?」って頭を抱えるみたいなことは、よくあったりします(笑)。

──特典Blu-rayに収録された『Wander Wraith』のMVの見どころは?

Who-ya 今までのMVはモーショングラフィックスや3DCGで作られていたんですが、今回初めて僕自身の映像を使って制作されました。
8月のライブ映像とCGのハイブリッドで構成したMVの見どころは……全部ですかね(笑)。いろいろ新しいことにチャレンジしていますので、ぜひ耳と目で楽しんでいただきたいです。

──改めてこのニューアルバム、Who-yaさん自身はどんな手応えを感じていますか。

Who-ya Who-ya Extendedが出来ることを全て詰め込んだアルバムになりました。もちろん、まだまだ他にもやりたいことはたくさんあるんですが、現在の僕らの100%を感じたいならば、是非このアルバムを聴いてもらいたいですね。

──来年1月には初のワンマンライブも予定されています。最後にこちらの意気込みをお聞かせ下さい。

Who-ya コロナの影響もあって、デビューしてから2年ちょいでの開催となりました。Who-ya Extendedの音楽を応援してくれている人たちに出来る一番の恩返しは、やっぱりライブでダイレクトに音楽を届けて感動してもらえることだと僕は考えていて、それこそがある意味アーティストとしての使命だとも思っているんですね。

2年間というのは長い時間でしたが、今回のライブはそんな皆さんと直接会えなかった時間を埋められる待ち合わせ場所だと、僕は考えています。ぜひたくさんの方々に、そういった感覚で同じ時間を一緒に楽しんで観ていただきたいと思っています。

>>>Who-ya Extendedのライブ写真、『WII』ジャケットを見る(写真6点)