デザインやドラマに現代的な要素を盛り込みつつ、理屈抜きの ”強くてカッコいい” がたっぷりと詰め込まれた快作。
>>>新たなるマジンガーZの勇姿!『INFINITY』名場面を見る(写真12点)
『デビルマン』、『キューティーハニー』などで知られる漫画家・永井豪が原作を手掛けたテレビアニメ『マジンガーZ』は、1972年に放送スタート。人間が乗り込んで操縦する巨大ロボットというアイディアは、本作で初めて持ち込まれた。
主人公・兜甲児が祖父の遺したスーパーロボット・マジンガーZを駆り、世界征服を企むDr.ヘルの野望に立ち向かうというストレートなストーリー、敵ロボット・機械獣との熱気とケレン味あふれるバトルアクションに日本のみならず世界中が熱狂、現在なお色褪せることなく多くのファンに愛され続けている。
そんな『マジンガーZ』の世界をアップデートして現代に蘇らせた『劇場版 マジンガーZ / INFINITY』は、2017年にイタリア、フランスで先行公開、その後日本(2018年1月公開)ほか世界各国で大きな話題を振りまいた。
兜甲児とマジンガーZはもちろんのこと、ヒロインの弓さやかやギャグメーカーのボス&ボスボロット、そして続編『グレートマジンガー』のメインキャラ・剣鉄也と炎ジュンが登場。一方の敵側もDr.ヘル、アシュラ男爵やブロッケン伯爵などお馴染みの面々が復活するなど、まさにマジンガーワールドのオールスターが勢ぞろいした1作となっている。
物語の舞台はDr.ヘルとの激闘から10年後の世界、兜甲児は科学者となり研究の日々を送っていた。ある日、甲児は富士山地中に埋まった超巨大遺跡「インフィニティ」と、そこから現れた謎の生命体リサに遭遇。リサを保護してインフィニティの調査を開始する甲児だが、時を同じくしてDr.ヘルが謎の復活を遂げて人類の前に姿を現した。Dr.ヘルは、無限の可能性を秘めるインフィニティでかつて抱いていた世界征服の野望を完遂しようとしていた……。
再び訪れた世界の危機に、甲児とマジンガーZはいかに立ち向かうのか!?
(C)永井豪/ダイナミック企画・MZ製作委員会
本作の特徴は、スーパーロボットアニメならではの見どころを最大限にアップデートしながら、これ以上なくストレートに表現している点だ。
まずは何と言っても大迫力のロボットバトル。
マジンガーZや機械獣は今回3DCGで表現されているが、爆発や光線といったエフェクト効果は手描きのアニメーションも存分に取り入れられており(エフェクト作画の第一人者・橋本敬史がメカエフェクト作画監督としてクレジットされている)、その画面から発せられる尋常ならざる熱気は、かつてマジンガーZの闘いに興奮したファンはもちろん、若いアニメファンや子供たちをも虜にするだろう。
勿論、ストーリーも見応えたっぷり。
謎の復活を遂げたDr.ヘルが再び世界征服を狙うというストーリーの軸に、「現代においての ”世界征服” とは何を指すのか、またどんな意味があるのか?」「マジンガーZは今、何のために戦うのか?」といった視点を取り入れることで、懐かしのキャラクターを楽しむだけでない、ずっしりと重みのある内容となっている。
また、キャラクターたちのドラマにも大いに注目してもらいたい。それぞれ10年を経た成長・変化を遂げているのだが、今なお微妙な距離感を感じさせる甲児とさやかの関係、鉄也の子を宿しているジュン、ラーメン店を営む相変わらずのボスの姿も、ファンにとっては味わい深いはずだ。
そして映画のOPを飾るのはもちろん、水木一郎が本作のために新録した主題歌「マジンガーZ」(INFINITY version)! アニキの熱い歌声を聴けばもう、理屈抜きにマジンガーの世界に引き込まれてしまうこと間違いなし。
世界がどれだけ複雑になっても、背負うものや思いが変わったとしても、大事なものを守るため最後まで戦う甲児とマジンガーZ。その決して変わらぬ ”正義” を貫く姿を観れば、必ず胸が熱くなることだろう。
今回の放送でぜひ、『マジンガーZ』の唯一無二の魅力を堪能してほしい。
(C)永井豪/ダイナミック企画・MZ製作委員会