公開からまだまだ話題沸騰中の『すずめの戸締まり』。ヒロイン鈴芽(以下、すずめ)が扉にまつわる厄災を追いかけて旅をするロードムービーだが、本作を見た観客の心を鷲掴みにした2大キャラが話題になっている。


その2大キャラとは、すずめを救うメインヒーローの宗像草太(CV.松村北斗)とその友人、芹澤朋也(CV.神木隆之介)だ。

予告編から並々ならぬ存在感を放っていた草太に対して、鑑賞後に一気に「新たな推し」としてファンの間で話題が広まっていった芹澤。タイプの違う2人のイケメンの登場に、SNSでも「どっち派」かを巡る投稿が相次ぎ、ファンアートや考察を含めてさらなる盛り上がりを見せている。

今回は『すずめの戸締まり』を代表する2人のイケメンキャラの魅力を解説しよう。

※以下の本文にて、本テーマの特性上、作品未視聴の方にとっては“ネタバレ”に触れる記述を含みます。読み進める際はご注意下さいませ。

■『すずめの戸締まり』とは

『すずめの戸締まり』は、2016年公開の『君の名は。』、2019年公開の『天気の子』に続く、新海監督の3年ぶりとなる最新作。日本各地の廃墟を舞台に、災いの元となる“扉”を閉めていく旅をする少女・すずめの解放と成長を描く。九州で暮らす17歳の女子高生・岩戸鈴芽が、“災い”をもたらす扉を閉める「閉じ師」の青年・宗像草太と出会うところから物語が始まる。

11月11日に全国420館(IMAX41館含む)にて公開となった本作は、11月27日までの17日間で観客動員数460万人、興行収入62.6億円を突破。
新海作品No.1のロケットスタートから3週連続で週末動員ランキング堂々の第1位、さらに世界199の国と地域で配給も決定するなど大きな話題となっている。

■落ち着いた長髪イケメン! 宗像草太

草太といえば、すれ違ったすずめが一目惚れするほど整ったルックスと、物腰柔らかな落ち着いた声が印象的だ。しかし物語が進むにつれて、ただの「長髪×高身長イケメン」ではなく、誠実で物事に対する責任感の強い青年であることがよくわかる。代々受け継がれてきた「閉じ師」としての仕事はもちろん、将来をきちんと見据えて教師になるべく日々勉強に励んでいる。

予告編からどこかミステリアスさが漂う抜群の存在感で観客の視線を集めていた草太。すずめを救うヒーローポジションとして活躍の場も多く、観賞後に草太の虜になってしまったファンが続出中。まずはそんな草太のファンの意見から見ていこう。

ヒロインの呼び方が素敵!
丁寧で紳士的な草太のヒロインの呼び名にキュンとしたファンも多いはず。草太は大学4年生だが、少し歳の離れた高校生のすずめに対しても「すずめさん」と敬意を込めて呼ぶ姿は、草太の生真面目さの表れでもある。年上の余裕なのか、そそっかしいすずめを諭すような落ち着いた佇まいも、この呼び方にとてもマッチしている。

ちなみに、新海誠監督の過去作品『君の名は。』では呼び捨ての「三葉」。
『天気の子』では「陽菜さん」など、ヒロインの呼び方からそれぞれのキャラクターたちの関係性が見えてくるのも面白い。

ロン毛美形キャラ
新海監督作品でメインとなる男子キャラといえば、短髪で爽やかでまだ少しあどけない青年たちのイメージを持つ人もいるかもしれない。
しかし、今回の草太といえばまず目につくのは“長い髪”。災いをもたらす扉を閉める「閉じ師」という不思議な職業も相まって、色気漂う大人っぽさが観客たちのハートをがっちりと掴んだ。新海監督らしい綺麗な画風にピッタリとハマる、風になびく髪の美しさは、ロン毛美形キャラならではの特権でもある。表情がアップになるときに映る涙ぼくろも「ずるい」チャームポイントとして記憶に残るだろう。

呼び名同様に過去作と比べると、草太は大学生ということで、私服もおしゃれで大人っぽい印象。シンプルだがどこか旅人を思わせるような装いも、草太の浮世離れした雰囲気を最大限に引き出す。

イスになっても健気でかわいい
ダイジンによって、すずめが幼い頃から大切にしている椅子へと姿を変えられてしまった草太。ちなみに、人間のときの草太のヴィジュアルの良さに「心臓もたないから草太さんずっと椅子でいてくれ……」とファンの声が上がっているほど。

「君についてこられても困るんだよ!」と最初はすずめに面倒をかけまいと強気に出るものの、自分が椅子になってしまったことの無力さを認めてからは素直にすずめを頼るように。周囲の目も気にせず、短い足でダイジンを追いかける一生懸命さがかわいらしい。


また椅子になってからも、すずめへの気遣いを忘れないところや、小さな体を張ってミミズに立ち向かっていく健気さに胸打たれたファンも多いに違いない。

■眼鏡にピアス、車は赤いオープンカー 芹澤朋也

芹澤は草太の大学の友人で、彼もまた草太と同じく教師志望だ。一見ワルそうな見た目に反して芯のあるギャップ尽くしの内面で、草太と並ぶ人気キャラとしてファンに愛されている。物語におけるキーパーソンの1人で、とくにすずめとその叔母・環の関係の修復において、芹澤が大きく関与することになる。

『すずめの戸締まり』は草太がメインヒーローであるが、芹澤も草太に負けじと一部のファンから熱狂的な人気を誇る。観賞後に「なぜか芹澤が忘れられなくなった」という声も珍しくない。続いて、そんな芹澤を推すファンの意見を見ていこう。

眼鏡が最高
まずは、なんと言っても眼鏡の似合うイケメンである点が芹澤派のファンのツボとして多く挙げられた。派手なファッションにもかかわらず、不思議と丸眼鏡がよく似合うのは、さすがイケメンとしか言いようがない。

ワルそうな芹澤、ミステリアスな草太。2人が並んだときに、全くタイプの違うヴィジュアルの魅力がある点も良い。

神木くんが演じるキャラにしては容姿がチャラい?
芹澤の声優は神木隆之介が担当。
神木といえば過去に演じた「君の名は。」の主人公・瀧や、スタジオジブリの「借りぐらしのアリエッティ」の翔役など、爽やかで誠実な青年役を演じているイメージを思い浮かべる人も多いのではないか。

ところが、今回神木が演じた芹澤は、派手な柄シャツに耳には複数のピアスといった「ガラの悪さ」を全面に感じるキャラクターだ。どうみてもチャラいそのルックスに乱暴な発言……初対面の環がすずめを心配したのも無理はない。

しかしガラの悪そうな見た目や乱暴な口ぶりに反して、友達思いの義理堅い一面を秘めている。草太だけでなく、環やすずめのこともどこか放っておけないようで「闇深ぇ~!」と溢しながらも、丁度良い距離感で協力をしてくれる。不器用ながらも環とすずめを気遣う芹澤の優しさが感じられる場面では、彼が人を導く教師として将来を築いていくビジョンも垣間見える。この圧倒的にチャラそうな外見と、芯の通った中身のギャップが芹澤の人気の理由だろう。

懐メロに詳しい! 歌声も披露♪
芹澤の印象的なシーンといえば、彼の愛車の真っ赤なオープンカーでのドライブ。派手好きな彼らしい高そうな車かと思いきや、そのオンボロ具合にはほっこりする。

そして、ドライブに流す音楽はまさかの昭和の歌謡曲ということで、ここでもまた芹澤の意外性が感じられる。環とすずめの微妙な空気を読んで彼なりに気を遣って考えた選曲というところだが、若干的外れなところもかわいらしい。また、音楽に合わせて歌声も披露。
短いコーラスでも歌の上手さを感じさせた。

■あなたはどっち派?

今回は『すずめの戸締まり』の2大人気キャラ、草太と芹澤のそれぞれの魅力を解説した。同じ大学でともに教師を目指す間柄ではあるものの全く違う個性を持つ2人だが、だからこそ互いを補い合ってきたのだろう。すずめの旅にとっては、どちらも欠かせない存在であったことは間違いない。

まだまだ熱の冷めやらない『すずめの戸締まり』。さまざまな見方によって「刺さる」ポイントが異なる本作だからこそ、観賞後にあなたのお気に入りのキャラの魅力を誰かと語るのも一つの楽しみ方だろう。

<作品詳細>
『すずめの戸締まり』
原作・脚本・監督:新海誠
声の出演:原菜乃華 松村北斗
深津絵里 染谷将太 伊藤沙莉 花瀬琴音 花澤香菜 神木隆之介
松本白鸚
キャラクターデザイン:田中将賀
作画監督:土屋堅一
美術監督:丹治匠
音楽:RADWIMPS 陣内一真
主題歌:「すずめ feat.十明」 RADWIMPS
制作:コミックス・ウェーブ・フィルム
制作プロデュース:STORY inc.

(C)2022「すずめの戸締まり」製作委員会
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