クルマ好き女子の矢田部明子です。今回は、運転のしやすさ、使い勝手の良さ、経済性の高さなどを兼ね備えた、スズキの軽自動車を代表するモデルとして根強い人気の「アルトワークス」についてレポートしたいと思います。現行アルトワークスに3年半乗っているオーナーの意見を踏まえつつ、私も試乗してきたので、良かったこと&悪かったことをお伝えしていきます。購入をご検討されてらっしゃる方は、ぜひ参考にしてください。


スズキ「アルトワークス」ってこんなクルマ

オーナーに聞くスズキ「アルトワークス」に3年半乗って良かったこと&悪かったこと

 迫力のある排気音、キビキビした足回り、5速MTモデルを搭載するなど、走りを楽める装備が充実しているアルトワークス。コンセプトは「クルマと共鳴しながら疾走する快感」で、その魅力に取り憑かれた人は老若男女問わずに多いはずです。最高出力は64psながら車重は670kgと軽いので、軽自動車とは思えない走りを楽しむことができる車です。


アルトワークスの魅力 その1
車両価格&維持費が安い

 1番の魅力は、楽しい走りからは想像できないほど車両価格が安いということです。生産終了となってしまったため、中古車しか購入できなくなってしまいましたが、とてもリーズナブルな値段で販売されています。ほかには、軽自動車なので自動車税を1万800円と抑えることができます(ちなみに、2000ccの普通車だと3万9500円)。重量税や高速料金も普通車に比べて安いのもいいですね。


アルトワークスの魅力 その2
サクサクキビキビ走る走行性能

オーナーに聞くスズキ「アルトワークス」に3年半乗って良かったこと&悪かったこと

 今回私が試乗したのは、「AGS(オートギアシフト)」が搭載されたモデルです。AGSとは、クラッチを電子制御で動かしてシフトする電子制御マニュアルのことで、ザックリいうとATとクラッチなしのMTを組み合わせたというイメージです。坂道を下るときにエンジンブレーキが効くといったMTの良さを生かしつつ、クラッチ操作はしなくて良いという「MTとATのいいどこ取り」をしているトランスミッションです。


 これがめちゃくちゃ面白い! シフトチェンジをする度に、「ビューンビューン、プシュー」という音を奏でてくれ、その度に微妙に車体がカクンとなる演出は、とても速く走っている気分にさせてくれます(実際は、そんなにスピードは出ていないのですが)。アクセルを踏むとエンジンがブンブン音を立てながら速度を上げていく様も、軽自動車とは思えない大迫力ですし、足回りが固くて突き上げ感がありガタガタ揺れるボディーも、スポーツカーを感じさせてくれます。車重が軽いのでレスポンスよく加速してくれるし、トルクを上げるカスタムを施しているというのもあって、力強い走りも楽しめるのも◎。


 オーナーさん曰く、トルクを上げるカスタムをする前は、坂道や高速などで物足りなさを感じたとのこと。あとは、パドルシフトが少しハンドルから離れた位置にあり手が届きにくかったので、パドルシフトを手前に寄せるというカスタムをしたそうです。


 ちょっと気になった部分は、少し見切りが悪いこと。小回りは聞くのですが、死角が多かったのでスーパーの駐車場に停める時は運転しにくいなと感じてしまいました。


アルトワークスの魅力 その3
スポーティーな内装&外装

 大迫力のメッキグリルや切れ上がったライトといった、最近よく見かける流行りのデザインではなく、「懐かしさを感じる昭和感」を感じるデザインですね。あえて華飾をせず、シンプルでベーシックなスタイルが魅力です。それでは外装からチェックしていきましょう。


オーナーに聞くスズキ「アルトワークス」に3年半乗って良かったこと&悪かったこと
少しつり上がった、台形の大きなライトが特徴的なフロントフェイス。個人的には「スズキ フロンテ」というクルマの面影があるなと思いました。エモい!
オーナーに聞くスズキ「アルトワークス」に3年半乗って良かったこと&悪かったこと
タイヤホイールの間から見える、赤いキャリパー。これがまた、カッコイイ!
オーナーに聞くスズキ「アルトワークス」に3年半乗って良かったこと&悪かったこと
台形のコロンとしたフォルムが親近感を与えてます。存在感のあるリアスポイラーは、スポーツカーらしさが感じられます
オーナーに聞くスズキ「アルトワークス」に3年半乗って良かったこと&悪かったこと
私のお気に入りポイントは、波平さんのようなアンテナ。真ん中から1本生えているのが、なんか可愛い♡

 続きまして、内装です。


オーナーに聞くスズキ「アルトワークス」に3年半乗って良かったこと&悪かったこと
ビビットな差し色が入っているとか、シートにキルティング加工がしてあるとかではなく、The・シンプル。だけど、このシンプルさが、良い意味で昭和感を醸し出していてGoodです。ばあちゃんの家に行った時のような、ホッとできる空間です
オーナーに聞くスズキ「アルトワークス」に3年半乗って良かったこと&悪かったこと
純正で付いているレカロのシートからは、スポーツカーらしさを感じます
オーナーに聞くスズキ「アルトワークス」に3年半乗って良かったこと&悪かったこと
シフトノブの部分に赤色のステッチが入っていて、スポーティーな雰囲気になっています

 シートはギュッとホールドしてくれる形状になっていて座り心地もバツグンですが、恰幅のいいカメラマンが座ると「肉が収まりきらない……」と呟いていました。人によっては窮屈と感じることがあるかも?


アルトワークスの魅力 その4
車両カスタムの選択肢が多い

 メーカーからも販売されていますが、カスタムパーツを取り扱う店が多いのも魅力の1つです。スポイラーなどを装着し、自分好みの外装や走りを追及するというのも自動車の楽しみ方。お気に入りの1台に仕上げていくという達成感がたまらないという人は多いはずです。取材するにあたってアルトワークスをお借りしたオーナーさんも、純正KYBサスペンションとショックアブソーバーをCUSCOに替えるなど、自分好みのカスタムを施していました。


アルトワークスの魅力 その5
車内の収納&利便性

 見た目よりも居住性&積載量があるのもうれしいポイント! それでは、さっそく見ていきましょう。


オーナーに聞くスズキ「アルトワークス」に3年半乗って良かったこと&悪かったこと
運転席は158cmの私が座って、こぶし4個分くらい頭上に余裕がありました。ただ、これはオーナーさんがシートを下げるカスタムをしたので、余裕が出来たということです。というのも、シートを下げないと頭が天井にあたり運転しずらかったのだそうです。大きな男性は、窮屈に感じる人も多いと思いますということでした
オーナーに聞くスズキ「アルトワークス」に3年半乗って良かったこと&悪かったこと
後席は158cmの私が座って、こぶし2個分くらい。足元のスペース的に、体格の良い方が座ると狭いと感じるかもしれません。ちなみに、前後にスライドできません
オーナーに聞くスズキ「アルトワークス」に3年半乗って良かったこと&悪かったこと
ドリンクホルダーなど、一般的な収納が用意されています。気をつけることとしては、今どきの軽自動車の収納を想像して乗ると、物足りなさを感じるかも?
オーナーに聞くスズキ「アルトワークス」に3年半乗って良かったこと&悪かったこと
荷室のトノカバーを外すと、座って足を伸ばせる程度の広さがあります。ただ、おしりは少しはみ出ていたかも……(笑)
オーナーに聞くスズキ「アルトワークス」に3年半乗って良かったこと&悪かったこと
後席を倒すと、フラットにはなるものの、寝転ぶのは難しい感じでした。ちなみに後席を倒すと斜めになればギリギリ寝ることができました

 ラゲッジスペースの下に敷いてあるじゅうたんがめくれないように、写真のように両端をピンで止めてあります。ですが、重い荷物を載せた際などじゅうたんが引っ張られてピンが抜けてしまうのが気になりました。毎回抜けて、毎回差し込むというのは少し面倒だなと感じました。


 以上が、私が乗って感じた、良かったこと&悪かったことでした。アルトワークスに乗りたい! という方がいらっしゃれば、この記事を参考にしてくださるとうれしいです。


 ということで、今回は「アルトワークス」の長期レビューをしてみました。この記事では最低限押さえておきたいポイントを、動画では重箱の隅をつつくように詳しく解説&若干辛口コメントもしているので、よろしければご覧になってみて下さい↓



■関連サイト


筆者紹介:矢田部明子

 中学生の頃、クルマのメカニズムに興味を持ち工業高等専門学校に入学。専門的な知識を学んできました。もちろん、クルマに乗るのも大好きで「ランドクルーザー60→ランドクルーザー76」と乗りついでいます。最近の唯一の癒しは、週末にオフロードに出かけることです!


 クルマのメンテナンスなど工業高等専門学校で学んだ知識と経験を活かして、様々な角度からお役立ち情報をお届けしていきたいと思います。


オーナーに聞くスズキ「アルトワークス」に3年半乗って良かったこと&悪かったこと

■関連サイト


編集部おすすめ