トライアンフ最軽量のバイク「Tiger Sport 660」
初心者にオススメの乗りやすさ
2月に発売されたトライアンフのバイク「タイガースポーツ660(Tiger Sport 660)」。トライアンフのアドベンチャースポーツ、タイガーシリーズの最新版にして最軽量バイクだ。これまでのタイガーシリーズは1200/900/850/800ccと、大排気量マシンで構成されていた。


軽量でシリーズ最小とは言え660ccの3気筒エンジンは、必要にして十分なパワーとトルクを備えている。数字上では81馬力、最大トルクは64nmとなっている。が、スペックだけではピンと来ない。それより乗ったフィーリングの方が重要だろう。エンジンを始動させユックリとクラッチを繋ぐと、アイドリングからでも十分にスタートは可能だ。1~2速では加速の伸びに物足りなさを感じるが、3速以降は十分なトルクとパワーを感じられた。トライアンフのお家芸とも言える3気筒エンジンの、完成度の高さが見て取れる。




足回りはSHOWAのサスペンションが採用されている。このサスペンションは、ストロークが短く非常に使いやすかった。
トライアンフのホームページでうたわれている「日々の通勤や街乗り、週末ツーリングまで、どんなシーンもパーフェクトにこなす」と言う一文のとおりだ。ブレーキ性能も高く、私のようなプロではないライダーが乗っても、ギクシャクせずにスムーズでいて安心感のあるフィーリングだ。車重が206kgと軽量なのも、取り回しの良さや転倒などの不安解消を助けている。





ウィンカーのオートキャンセルや可変式フェアリング
毎日乗るからこその機能がうれしい
細かい部分で言えばクラッチの軽さやウインカーのオートキャンセルは、毎日乗るライダーにはうれしい配慮だ。可変式のフェアリング(空気抵抗軽減するための装備)は、手動で簡単に変えることができる。高速道路を走行する時に、引き上がることで風の抵抗を軽減してくれる。とは言え、バイクの醍醐味の一つである「風を切る感覚」が絶妙に残されていたことも好感度が上がる演出と感じた。
ABSやトラクションコントロールだが、これは日常で切る事はほとんどないだろう。今回走行している中でABSが効いたなと思う瞬間はなかったが、かなりハードにブレーキを踏んでもタイヤがロックする事はなかった。





今回走行したルートは、都内の自宅からアクアラインを使って木更津へ向かい、海鮮を食べて帰る300km程度のプチツーリングだ。2月のツーリングはまだまだ寒く、グリップヒーターなどの装備が恋しくなる季節。300km程度の距離で、4~5時間の(10~15時くらい)走行がほど良いと感じる。それでも高速に乗って普段入ることなどない、「海ほたる」のミニシアターで「海ほたるができるまで」のドキュメントを楽しんだ。木更津では海辺を軽く流し、海風を浴びながら春の訪れを予感することができた。そして目的の一つでもある、地元で取れた鮮魚に舌鼓を打ちのんびりと過ごす。休日の過ごし方としては、マズマズではないだろうか。



【まとめ】大型バイク入門用として最適
取り回しが良いので女性にもオススメできる
今回のミニツーリングに使用したトライアンフのタイガースポーツ660は、入門用としてはベストチョイスではないだろうか。クルーザーらしく目線が高いのは、運転していても疲れにくく走りやすい。
価格も112万5000円と比較的安価だ。この価格で、このパフォーマンスはお買い得と言えるだろう。特に女性ライダーや、大型バイク初心者にオススメしたい1台だ。

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■筆者紹介───折原弘之
1963年1月1日生まれ。埼玉県出身。東京写真学校入学後、オートバイ雑誌「プレイライダー」にアルバイトとして勤務。全日本モトクロス、ロードレースを中心に活動。1983年に「グランプリイラストレイテッド」誌にスタッフフォトグラファーとして参加。同誌の創設者である坪内氏に師事。89年に独立。フリーランスとして、MotoGP、F1GPを撮影。

■写真集
3444 片山右京写真集
快速のクロニクル
7人のF1フォトグラファー
■写真展
The Eddge (F1、MotoGP写真展)Canonサロン
Winter Heat (W杯スキー写真展)エスパスタグホイヤー
Emotions(F1写真展)Canonサロン