“日本のモータースポーツの聖地”である鈴鹿サーキットにトップドライバー・ライダーが集結し、ファンとの交流を楽しむ「鈴鹿サーキットファン感謝デー」。残念ながら2020年と2021年はコロナ禍の影響で開催が見送られた。
5名のレジェンドドライバーが参加
「永遠のライバル対決」が復活
5日(土)はまず東コースを舞台に「永遠のライバル対決」が開催された。これは中嶋 悟氏と星野一義氏によって争われてきた「ファン感謝デー」の名物プログラムで、2012年の「50周年ファン感謝デー」で第1回が開催されて以降、2018年まで行なわれてきた。そして、2019年に開催された「モースポフェス2019 SUZUKA」では「新・永遠のライバル対決」へとリニューアル。その際は道上 龍氏、脇阪寿一氏、本山 哲選手によって見ごたえのあるバトルが展開された。
今回は「60周年復活スペシャル」として“元祖・永遠のライバル”と“新・永遠のライバル”が共演。5日(土)にはHonda N-ONEによる予選セッションが、6日(日)にはトヨタ GR86による決勝レースが行なわれた。元祖ライバル対決では中嶋氏がウィナーに。新ライバル対決では脇阪氏がチャンピオンに輝いた。




市販車を使った運動会のような競技で
Honda、トヨタ、日産のドライバーがスゴ技を披露
「スペシャルバトル」では伊沢拓也選手を監督とするTeam TAKUYA、小林可夢偉選手を監督とするTeam KAMUI(5日のみ。6日は石浦宏明選手を監督とするTeam HIROAKI)のドライバーそれぞれ5名ずつがホームストレート上で「ZIG-ZAGスラローム」「Mr.PERFECT BRAKE」「トリプルサークル1440」「SHOOTING GATE」「DRIFT PARKING」の5競技で対決。

5日(日)の勝者は以下の選手たち。





ドライバーがメーカーの垣根を超えてタッグ!
N-ONEとGR86でバトルを展開
さらに「スペシャルレース」ではHondaとトヨタのドライバーが「ファン感謝デー」限定のチームを結成。5日(土)は野尻智紀選手(Honda)と大嶋和也選手(トヨタ)、笹原右京選手(Honda)と坪井翔選手(トヨタ)がそれぞれチームメイトとなり、 東コースを舞台にN-ONEとGR86という2種類の市販車を駆ってレースを行った。また。6日(日)は塚越広大選手(Honda)と立川祐路選手(トヨタ)、伊沢拓也選手(Honda)と石浦宏明選手(トヨタ)がそれぞれチームを結み、同じくN-ONEとGR86によるワンメイクレースを争った。


2019年以来に開催予定の
鈴鹿8耐に向けたカウントダウンデモレース
8月7日(日)に決勝レースが予定されている2022年シーズンの鈴鹿8耐(バイクレース)。デモレース「始動! 鈴鹿8耐」ではそんな鈴鹿8耐の名物となっているル・マン式スタートが再現された。
このプログラムには9チーム13名が参加。自身のオリジナルヘルメットではなく、ヨシムラカラーのヘルメットを着用し、YOSHIMURA SERT MOTULのマシンを駆って登場した渡辺一樹選手をはじめ、各ライダーがメインストレートでハイスピードウィリーを披露するなどのファンサービスを行なった。ひと足先に鈴鹿8耐の熱気を感じることができたプログラムだった。


レースでは決して一緒に走ることのない
異カテゴリーのマシンが同時走行
フルコースを舞台に「All Star Laps~TOPマシンの競演~」が開催された。このプログラムではMotoGPマシンのHonda RC213Vをはじめ、鈴鹿8耐や全日本ロードレース選手権に参戦する2輪マシン、スーパーフォーミュラやSUPER GTに参戦する4輪マシンがデモラン。それぞれが特徴的なレーシングサウンドを奏でた。走行後はそのままグリッドに停車。







2022年シーズンを戦う
最新SUPER GTマシンがデモレースに参加
2022年シーズンのGT500マシンによる「SUPER GTプレシーズンマッチ」には、2021年シーズンのGT500チャンピオンに輝いた坪井 翔選手が駆るトヨタ GRスープラをはじめ、Honda NSX-GT、日産Zが参加。フルコースを使ったデモレースでシーズンインを前に本番さながらのバトルを披露した。
今シーズンのSUPER GTにおけるトピックのひとつと言えば、GT-RからマシンチェンジされたZ(GT500)の参戦が挙げられる。フェアレディZのレーシングカーがGT500に投入されるのは実に15年ぶりだ。

Hondaのモータースポーツ活動における
レジェンドマシンが疾走
「鈴鹿サーキット 夢の原点」ではマン島TTレースに出場した「RC142」(1959年)、Hondaの第一期F1活動を代表するマシンであり、Hondaに記念すべきF1初勝利をもたらしたマシンでもある「RA272」(1965年)がデモラン。動態保存された2台を宮城 光氏が走らせた。
また、ロードレース世界選手権最高峰クラスの日本人最多勝利記録保持者である岡田忠之氏、世界三大レース(F1モナコグランプリ、インディ500、ル・マン24時間)に参戦した経験を持つ中野信治氏がトークショーに参加。ふたりは「HRS Suzuka」(Honda Racing School Suzuka)で若手選手の育成に関わる者としてHondaのレースに掛ける熱い思いを語った。

感動のサウンドがサーキットに響き渡った
F1のデモラン
10月9日に決勝レースが予定されている、今シーズンのF1日本グランプリに向けたプログラムも開催された。フェラーリF187(1987年)、AGS JH23(1988年)、ウイリアムズFW12(1988年)、ベネトンB189(1989年)など、鈴鹿で開催されたF1日本グランプリを走った往年のF1マシンが集結。「世界の鈴鹿へ F1日本グランプリ」と題されたプログラムで東コースをデモランし、現代のF1では聞けなくなったひときわ甲高いエキゾーストノートを響かせた。




スーパーフォーミュラ
2022年シーズンがここからスタート
フルコースを使ったタイムアタック合戦「SUPER FORMULA DRIVERS'1LAP ATTACK」には今シーズンのスーパーフォーミュラに参戦するドライバーが参加。5日にフリー走行、6日には計時予選と渾身の1ラップタイムアタックが行なわれた。
フリー走行から何度もピットインを繰り返すドライバーも。7~8日の合同テストを前に「ファン感謝デー」の走行枠もフルに使ってセッティングを煮詰める姿が見られた。



恒例の人気企画を含め、2日間に渡って60周年の歴史にちなんだプログラムが数多く開催された今回の「鈴鹿サーキット60周年ファン感謝デー」。鈴鹿サーキットを運営してきた「モビリティランド」は2022年3月1日から新社名の「ホンダモビリティランド」に代わり、新しいスタートを切った。また、社名変更に合わせて開場25周年を迎えた「ツインリンクもてぎ」(栃木県芳賀郡茂木町)は事業所名が「モビリティリゾートもてぎ」に。鈴鹿サーキットもロゴマークが一新された。今シーズンもその鈴鹿サーキットでは様々なレースイベントが予定されている。

「ファン感謝デー」後の3月7~8日には2022年シーズンに向けたスーパーフォーミュラと全日本ロードレースの合同テストも行なわれ、いよいよモータースポーツシーズンが始動する。今年も激しいバトルが楽しみなシーズンになりそうだ。
■関連サイト