人事を尽くして天命を待つ。今はそのような心境であります。
ジムニーなのかシエラなのか。変速機は手動かオートマか。グレードはどれにいいんだ。と、それはもうグズグズと悩み続けたものですが、そのおかげでいずれにも良さがあり、ならば何でも良かろうという悟りに達した次第。人生に無駄な時間などありません。
この度、やっとのことでジムニーシエラの発注にこぎ着けました。ありがとうございます。ありがとうございます。誠にありがとうございます。一体いつ納車されるのか、何一つ確かなことは分からない状況ですが、全国の納車待ちの皆さん、共に耐え抜きましょう。
その際、最後まで決断に時間を要したもの。それは色でありました。
新車を買った情報2022、私は四本淑三です。本日の話題の中心と致しますのは、ジムニーシリーズの車両本体色。色なんかクルマの性能に関係ないんだから好きにすれば良かろう。はい、もちろんそれで間違いございません。
ところが世知辛さを知った大人はそうもいかない。人気色か不人気色かで差のあるリセール。汚れや傷の目立ちやすさ、ウォータースポットによる経年劣化や退色。おまけに「いい歳こいて黄色は恥ずかしい」といった身体性の拡張によるウェラブルディバイスとしての記号性やら何やらを気にし始めると、途端に泥沼化してまいります。
ましてや今回のジムニーシリーズはカラーコンセプトとして「ビジビリティ」を掲げているのであります。まずは何じゃそらというお話から。
目立つ黄色と目立たない深緑
平たく言えばこれは「目立つ」か「目立たない」か。道無き道を往き、剥き出しの自然環境の中で使われるジムニーシリーズらしいカラーコンセプトであります。
ちなみに私、ロードスターはソウルレッドを選びました。
そうした観点におけるカラバリの特徴は、まず乗用車としては珍しい新色「ジャングルグリーン」が、最下位グレードのジムニーXGから選べること。これは目立たないロービジリティカラーの代表。そして蛍光色のような新色「キネティックイエロー」が中間グレードのジムニーXL、ジムニーシエラJL以上で選べること。これは目立つ色、ハイビジリティーカラーの代表です。
それらに加え中間グレード以上では、サンドベージュ的な「シフォンアイボリーメタリック」、先代アルトのリアハッチに差し色として使われた「ミディアムグレー」が選択可能に。全体としては白黒銀の定番色に彩度の低い色を足し、ジムニーらしからぬ派手な色をぶち込んだ構成です。
このうち単純に個人的な好みで言えば「ブリスクブルーメタリック」が好きです。いかにも雪道に映えそうで。
エイジングが進んでカッコ良くなる色
ただ、ジムニーシリーズはハードに使われるのが前提。人によってクルマの使い方は様々でしょうが、私としてはもし無事に納車されたら、修理費用が嵩んでどうしようもなくなるまで、執拗に使い続けるつもりです。
ゆえにボディの劣化が進んだ状態や、ダメージを受けた際の見栄えも気になるところ。たとえば赤サビが浮いたベージュのランクルなんか、私はかなりグッとくるものを感じております。逆に彩度の高い色は、退色の早さもあってボロっちくなるのも似合わない。ではジーンズのエイジング同様、錆や凹みもデザインのうちと考えれば、今回のカラバリのうちどれがカッコ良く見えるのか。
現行ジムニーシリーズの場合、まだボロっちくなった個体を見たことがないので確かなことは言えませんが、ホイールハウス内に小さな錆ができたミディアムグレーの個体は見たことがあります。その印象で言えば、あの錆が表に浮いてもサマになり、カッコ良く朽ちていきそうな予感がします。
つまりジムニーのカラバリで有望に見えるのは、シフォンアイボリーメタリックとミディアムグレー。それに、ジャングルグリーンに近い色の錆の浮いたクルマを、ほぼ毎日見ていますが、これもまったく問題ないでしょう。
そんなわけで選択候補は3色に絞られ、そこから絞ってゆくことになるのですが、ちょっとした懸念もあります。
仮想敵国が攻めてきて安心なのはどの色か
色の選択に当たって少々考えてしまったのは、私の住んでいる街が航空自衛隊千歳基地と陸上自衛隊第7師団が駐屯する「基地の街」であることです。通勤中に自衛隊の車両と混走するのも日常で、先のほぼ毎日見ているジャングルグリーンに近い色のクルマはとは自衛隊の車両です。
ロシアのウクライナ侵攻が始まって以降「次に狙われるのは北海道だ」などという憶測がネットに出回っています。専門家はその可能性は低いと言っていますし、非専門家の私も可能性ならゼロであって欲しいと願っています。
その攻撃により制空権を失った場合、ジャングルグリーンのクルマで道を走っていたりして平気か? というのが先の懸念です。第二次大戦後の四輪駆動車は米軍のジープが手本になっており、原点回帰のコンセプトを掲げたジムニーシリーズのシルエットはその時代の原型に近い軍用車両と誤認、あるいは誤認したという口実で破壊される可能性もないとは言い切れません。
この場合、自衛隊が採用するオリーブドラブに近いジャングルグリーンより、民間車両でしかあり得ないキネティックイエローやブリスクブルーメタリックの方が安心なのではないか。
と、実際にロシアのウクライナ侵攻が始まる前までは考えていました。
北の大地におけるロービジビリティカラーとは
西側の報道を信じる限り、戦況が進んで地上部隊が市街地に入った場合、国際法を守る気のない国が相手なら「白旗」を掲げてサバイブできる可能性は低そうです。すると民間人の選択肢として「逃げる」「隠れる」以外にありません。
この状況では、逃げ込む先の山林で目立たないジャングルグリーンの方が安心です。自衛隊の車両もそうした理由でオリーブドラブを採用しているのですから。ただ、そうして戦時対応を意識すると、さらに考えるべきことも増えてきます。
まず、北海道の冬は一面真っ白。
理想を言えば、自衛隊のように状況に応じて迷彩ネットをかけ、雪が降る前に冬季迷彩にしておけば万全です。が、平時に民間車両でそれをやるとご近所との付き合いが難しいものになってまいります。
では結局、私は何色をオーダーしたのか。様々な可能性が考えられる混迷したこの世の中で、すべての色を混ぜたらこれということでミディアムグレーにいたしました。まあジムニーシリーズによく似合うカッコいい色ではありますが、実際にどこかが攻めてきたら、クルマの色や形がどうだろうと関係なくやられるでしょう。
早く平和な世の中になって欲しいものです。戦争反対。それではまた。











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