5年前は新車だったクルマを買った情報2022、私は四本淑三です。今回の話題の中心と致しますのは、中古で買ったフォレスターの程度の良し悪し。
新車の納期が長引き、収入は上がらず、物価ばかりが上がって経済的にも厳しい昨今、中古車は相変わらず売れ続けております。しかし「前に乗っていた人の癖が付いている」とか「すぐに壊れて余計にお金がかかる」といった、中古車に対する漠然とした不安をお持ちの方もいらっしゃるはず。
価格については市場に出回る中古車はプロの査定によるもの。そんなプロの友人曰く「中古車に得も損もない」だから程度は価格なり。その通りとしても「価格なりの程度」とはどのようなものなのかが問題です。
では車両本体価格188万円、前世を営業車として過ごした走行5万キロの2017年型SJ5フォレスター 2.0i-L EyeSight はどうなのか。
◎ 内装の清潔さは新車レベル
まず、キーを受け取り乗り込んで驚いたのは、内装がやけにきれいなこと。カーペットやシートにタバコの焼け焦げのようなものがないのは、ハンコを押す前に確認していましたが、おそらく前回ステッカーをはがしてしまったトヨタ系ディーラーのクリーニングサービス「まるまるクリン」のおかげでしょう。フロアカーペットもシートも天井もほぼ新車同様の状態で、匂いもまったくの無臭。施工を担当された方、ありがとうございます。
ぱっと見て中古車とわかるのは、樹脂の一部にあるささくれや、ハンドルやシフトノブのシボが摩滅し、爪跡が付いていることだけでした。内装はニジュウマルですな。
それにしても営業車にしては綺麗すぎる。うちの社用車なんか5年も経てば大変なことになっていますから、元がどれくらい汚れていたのかも気になるところ。
△ ラゲッジスペースに前世の名残
営業車の荷室ですから樹脂パーツにすれ傷はあるものの、ラゲッジの布張りも新車並みのクリーンさを保っており、車中泊レディな清潔さ。そしてラゲッジのフロアボードをめくると、スチロールトレーが出現します。
ここにジャッキやホイールナットレンチ、三角表示板と共に、布製の巻き取り式トノカバーが収まります。実に機能的。このトノカバーはアルミのサッシュを車室両側面にはめ込み、ズルズルっと引き出して使うタイプです。
うっひょー、きったねー!
まあ営業車なんて、うちもこんな感じですわ。撥水剤のようなコーティングが劣化した感じで、いたるところ水染みだらけ。トレーに水の侵入した痕跡はないので、他の荷物とラゲッジに混載されていたのでしょう。納車時にはフロアボードの上に転がっていましたから。
トノカバーはあると便利なものですが、ごく普通のオプションですから査定には響きません。
純正部品と交換するなら2万円。洗って綺麗になれば、その2万円がお得に。とりあえず後で洗ってみようということで、ここでの得失は保留といたします。
ちなみにトノカバーが収納されているスチロールトレーのさらに下には、テンパータイヤとパンタグラフジャッキ、牽引フックが収まっていました。いずれも使われた形跡のない新品状態。私もお世話にはなりたくありませんが、テンパータイヤの空気圧はたまにチェックして、タイヤ交換の練習くらいはしておいた方が良さそうです。
◯ 最初からエムリットフィルターだった
ロードスターと違ってものすごく便利なのが、エアコンフィルターの交換。ロードスターはインパネの内装材やカプラをバチバチ外さなければ交換できませんが、フォレスターは助手席のグローブボックスを外せばオッケー。外し方は簡単です。
まずグローブボックスを支えているダンパーのリンクを外します。そしてストッパーが付いているグローブボックスの左右側面を内側に押すと外れます。後ははめ込み式のヒンジを抜くだけ。YouTubeに作業例がたくさん上がっているので、検索した方が早いでしょう。私は外すまでに1分もかかりませんでした。
そして現れたのが、あらららら。この緑の枠はちょっとお得なあのフィルターなのでは。
若干クリーナーが汚れているものの、まごうことなきエムリットフィルターでした。
エムリットフィルターはフィルターを専門に販売する日本のメーカーで、この製品はPM2.5をキャッチする性能と吸い込み風量を両立させたという触れ込みです。なにより良いのは純正より安いこと。
スバル純正がアマゾンで4180円。対してエムリットフィルターは2595円。これは上の緑のフレームとフィルターのセット価格で、交換はフィルターのみの差し替えで済みます。そのフィルター「D-010」の価格はアマゾンで1340円。安い。
このフォレスターには最初から緑のフレームが付いているので、1380円でエアコンフィルターをリフレッシュできる。年2回交換するとすれば、純正の8360円に対して2680円ですから差額は5680円。もし10年乗ったら5万6800円。お得です。
フィルターがこれなら粉塵の舞う春先や秋も外気導入のまま突っ切っても構いません。さっそく交換用のフィルターをポチっておきました。
× スペアキーはあった方が安心だけどなくても困らない?
このフォレスターに決めた理由は、今時のスマートエントリーではなく、機械式のキーだったから。ザクッと差し込み、グイッと回し、エンジンが始動したらキーから手を離す。この一連のルーティンを楽しむために、私はこの一番安い仕様に飛びついたのであります。機械式と言ってもイモビライザー付きだから、防犯上も問題ナシ。
と思っていたら、納車されてみるとスペアキーがない。イモビライザーはキーの内蔵チップが発するIDと、車両側のIDを照合するシステムです。スペアキーを作るならチップの中身も複製する必要があり、その作業はメーカーのディーラー対応という事になっております。
ま、高くつくけどしゃあない。スバルのディーラーにお願いしよう。どうせ2万円くらいだろ?
なーんて安易な考えでいたら、IDが刻印されたキーナンバープレートもないので複製はできず、車両側のユニットも含めてまるごと交換しなければならないのだとか。その見積は部品代が5万1700円、工賃が2万5740円。しめて税込7万7440円。たっけー!
家の鍵をなくしたら、防犯上キーシリンダーごと交換するのがセオリーですから、全交換というディーラー対応は間違ってはいません。が、どうにも高い。ここでよーく考えてみましょう。
最近はイモビライザーキーのみ安価に複製してくれる鍵屋さんもあります。ただ、そうしたお店でスペアを作ったとしても、実際に使う機会があるかといえばどうなのか。今までのクルマ生活を振り返っても、スペアを使ったのはディーラーにクルマを預けた時くらい。それはキーホルダーからメインキーを外すのが面倒だったから。キーを紛失した経験はないし、クルマを使うのが1人ならキー1本で困りません。
だからなのかスペアキーがなくても査定で大きく減額はされないそうです。それでもスペアキーがないとディーラー対応なら8万円近い出費に。中古車に落とし穴があるとすれば、ここら辺は大きめの穴かも知れません。なくても困りません。でも、なんとなく不安なので、ここは事前に確認しなかった自分にバツ。
ちなみに買った後にスペアキーがないことに気づいてトラブルになるのは「中古車あるある」だそうです。皆様もご購入の際には、スペアキーのチェックをお忘れなく。