童話の世界のようなSTEP WGNが誕生!
グリコとHondaがコラボ
子供たちと江崎グリコ、本田技研工業の関係者と2代目グリコワゴン 
江崎グリコ(以下グリコ)と本田技研工業(以下Honda)、そしてSIVAXの3社は、共同で子供たちに笑顔とGlico商品を運ぶクルマ「グリコワゴン」の2代目を制作。グリコワゴンで今後広く社会に貢献する活動をするとを発表しました。しかし「なぜグリコとHondaがコラボしているの? そもそもグリコワゴンって何?」という疑問が。というわけで、お披露目イベントお邪魔してきました。
グリコワゴンは2010年から始動



グリコのグループ広報部・石河さんによると、グリコワゴンは「日本中に おいしさと健康 そしてワクワクと笑顔をお届けしたい」というコンセプトのもと、2010年に誕生。その年の12月から約2ヵ月にわたり全国を横断。その後も東日本大震災の被災地訪問のほか、ポッキーを使って遊びながらプログラミングをする「GLICODE(グリコ―ド)」の授業で、頑張った子供を応援するなどの活動をしてきたそうです。その総走行距離は10万キロを超えるとか。
2019年までの活動をまとめた動画があるというので視聴することに。Glico商品のCMといえば、新垣結衣さんがポッキーを持ってダンスをする映像がいまだ脳裏から離れない不肖。グリコワゴンは子供に笑顔を届けるというコンセプトですから、子供向けの映像だろうなと見始めたところ……。
まさかの涙腺崩壊動画ではありませんか。そして気づけば目に熱いものが。これはズルい!

Hondaのデザインセンター・浅井さんも「そうなんですよ。最初にグリコワゴンの話をいただいて、この動画を見た時は、みんなで泣いてしまいました」と当時のことを振り返ります。そんなグリコワゴンですが、石河さんによると長いこと活動していることから、2020年頃から2代目を作ろうかな、という話が持ち上がったのだとか。その時「2代目は子供たちの成長や笑顔という面で、共感いただける企業様と一緒に作りたい」という話になったのだそうです。
グリコとHondaを繋いだ佐藤琢磨

ではなぜHondaと? そこには、インディ500を2度制覇した佐藤琢磨選手が関係しているのだとか。グリコは佐藤選手を長年にわたりサポート。2度目の優勝をした2022年に、ファンと約束をしたグリコポーズをしたのは有名な話です。そして佐藤選手はHondaのドライバー育成プログラム出身でもありますし、インディ500を制覇したマシンにはHondaのエンジンが搭載されていました。両社は佐藤選手とつながっていたのです。

グリコのデザイン部・大塚さんは「ちょうど優勝後に記念のムービーを作ったんですが、それがHondaさんの目に留まって、うちのイベントでも使いたい、とお声がけいただいたのが最初の接点です」なのだとか。

Hondaは「ザ・パワー・オブ・ティーン」という子供たちの夢を応援するというプロジェクトがあるのですが、グリコが制作したムービーはそこで使われました。そこからHondaとグリコのつながりが始まり、石河さんが「ザ・パワー・オブ・ティーン」を担当するHondaの社会活動推進室に、グリコワゴンの取り組みの話をもちかけたところHonda側は共感。こうして2社で2代目グリコワゴンをつくることにつながったのです。これが2021年の夏ごろの話。
デザインを募集したら2ヵ月で189件が集まる




その後、両者での話し合いから、車両は大量のお菓子を運ぶことなどからSTEP WGNに決定。そして環境に配慮するなどから、ハイブリッド(e:HEV)に決まったのですが、問題はデザインです。そこで全国から3歳~15歳の子供たちにアイデアを募集したところ、2ヵ月で189件のアイデアが集まりました。それを元に、グリコとHondaのデザイナーが協業で作業をすすめました。











デザインのポイントは、ルーフ部分。溶かしたチョコレートのクラウンに、Glicoの代表的な商品である「ポッキー」や「ビスコ」「ジャイアントコーン」などを積載。色や質感にもこだわり、実に美味しそう! 他にも、ホイールは「プッチンプリン」、ドアノブは「プリッツ」と、まさにお菓子のクルマといったところです。

車両の制作は、自動車を中心とした工業製品の総合開発支援企業SIVAXが担当。子供たちだけでなく、大人たちの想いを、見事造形とカラーリングで応えました。
子供たちとコミュニケーションが取れるグリコワゴン




2代目にはさらにコダワリが。リアゲートを開けると、子供たちとコミュニケーションがとれる仕掛け「ロボットくん」の姿が。「どうしても動きモノを入れたかったんですよ!」と大塚さんは声を弾ませます。なんとコミュニケーションが取れる仕組みになっており、子供たちに反応して表情が変わるようになっています。また、両手を差し出すようにお菓子を渡すこともできるのだとか。


お披露目イベントには、デザイン画を応募した子供から7名が参加。2代目グリコワゴンを前に楽しそうにしている姿に、周りの大人たちがほっこりしたのは言うまでもありません。そんな中、子供心を忘れた大人の中には「天井のチョコレートクラウンは車検が通るのか?」という疑問が。もちろん改造申請を通しているそうで、取り付けたまま公道走行しても問題ナシとのこと。ちなみに、天井高の都合が悪い場所での稼働を想定し、取り外し可能になっていました。

気になるのは、今後のこと。まず1代目は今後も走り続けるそうで、つまりグリコワゴンは2台体制での運用となります。次にどこで会えるのか? まずは4月12~27日まで、グリコの工場見学施設である「グリコピア神戸」(兵庫県)、4月29日~5月31日まで「グリコピア・イースト」(埼玉県)で展示するとのこと。工場見学は予約が必要のようですので、詳しくは下記のグリコ公式ウェブサイトをご参照ください。

石河さんは車両だけでなく、本来の「子供に笑顔を届ける、夢を応援する」という面でもHondaとコラボレーションをしたいと、大きな夢を膨らませているとのこと。みんなの夢をのせて、2代目グリコワゴンは走り始めました。

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