以前から、モデルの新 唯(あらた・ゆい)さんと「輸入車はディーゼルエンジンモデルが売れているらしいけれど、実際はどうなんだろう」と様々な車種を試乗取材してきました。しかし、いまだ日本でイチバン売れている輸入車ブランドを取材していませんでした。
今回はメルセデス・ベンツの「CLA 200dシューティングブレーク」をお借りしました。
魅力その1 美しいクーペスタイルのワゴン
「CLA 200d シューティングブレーク」のデザイン

クーペスタイルのワゴンのことをシューティングブレークと呼ぶようで、今回お借りしたCLA 200dシューティングブレークも見事なまでのクーペスタイル。流麗なスタイルはひと昔流行ったステーションワゴンとは大違いで、仕事感はとても薄いように思います。

「ついにメルセデスですか」と唯さん。「これおいくらなんですか? お高いんでしょ?」とおっしゃるので「オプション抜きで617万円です」と回答。すると「思ったより安い!」と驚いた唯さん。「ですけど、オプションが130万5000円分あるので、正しくは747万5000円ですね」と聞くと「だとしても、思ったより安い!」と再び驚いた表情をみせます。



それもそのハズ、CLA 200d シューティングブレークのボディーサイズは全長4690×全幅1830×全高1450mm、ホイールベース2730mmと、メルセデスのステーションワゴンのラインナップでは最もコンパクト……と思ったら、100万円以上高いCクラスのステーションワゴン(全長4755×全幅1820×全高1455mm)と、大きさは変わらなかったり。CLAとCクラスは、内外装だけでなくパワートレインも違うとはいえ、多少目を瞑るだけで「CLAってお買い得なクルマ」って思いませんか?

昨年9月にマイナーチェンジしたCLA 200d シューティングブレーク。フロントグリルをマットクローム仕上げの小さなスリーポインテッド・スターが無数にちりばめられたシングルルーバータイプの「スターパターンフロントグリル」にしたほか、ヘッドランプの形状やホイールデザインを変更するなど外装を刷新したほか、新世代のステアリングホイールや対話型のインフォテインメントシステム「MBUX」を標準装備しました。

外観を見回す唯さん。「結構若々しいですね」と素直な感想を漏らします。
魅力その2 たくさんの荷物が積める利便性












ラゲッジをチェックする唯さん。スリーポインテッド・スターの上部分を押し、出てくるノブ部分を引き上げます。荷室の容量は505リッターとさすがの大容量。後席を倒せば1370リットルとさらに拡大します。クーペスタイルなので開口面積が広く、荷物の出し入れがラクのひとこと。
SUVのようにドア部分と荷室床面の落差がゼロというわけにはいきませんが、それでも落差が少ないのは便利です。感心したのはプライバシースクリーンがシェードタイプであったこと。トレイタイプって外したあとの置き場所に困ったりするんですよね。
魅力その3 2Lだけどディーゼルターボゆえのパワフルさ!



エンジンは2L 直4 DOHC 16バルブ ディーゼル ターボ。アルミニウムクランクケースなどで、徹底的に軽量化されたユニットで、最高水準のクリーン性能を謳っています。高出力は150馬力、最大トルクは320N・mとトルクフル。







運転席はかなりスポーティー。今回はAMGラインパッケージ、AMGレザーエクスクルーシブパッケージというオプションが付いた仕様になっています。結構硬めでホールド感高めで、赤いシートに取材陣も唯さんもビックリ。なお、標準仕様はヘッドレストが独立して可動するタイプのシートで、色もモノトーン調になります。







2連ディスプレイはイマドキの仕様という感じ。メーターパネル内にナビゲーションが表示されます。ステアリングホイールは今回のマイナーチェンジから変更されたもので、ステアリングボタン類の多さに驚かされます。
魅力その4 グラスルーフのラグジュアリーさ
車内装備の充実っぷり




天井面を見るとグラスルーフがあり解放感たっぷり。ルーフの操作は室内灯部分で行ないます。



メルセデスのドライブモードセレクターはステアリングコラムにあるため、センターコンソールはとてもスッキリ。さらに幅が広くゆったりたっぷりです。


アームレストの中にUSB Type-Cコネクターを2つ用意。これはとても便利ですね。








2列目シートをチェック。足元は意外と狭い印象で、USB-Cコネクターは1つのみと寂しかったりします。シートを倒すと真っ平にはなりませんが、段差はないのはよいところ。
魅力その5 ディーゼルがうるさいのは過去の話
運転しやすくグイグイ進む気持ち良さ!

気になる走りですが、実にコンフォータブル。乗用車の正しい姿といえそうです。同じドイツ御三家でも、BMWよりは柔らかく、アウディよりはシッカリとした足腰といった印象。左右の視界の広さも特筆すべきところで、運転がとてもしやすいクルマといえます。

なにより感動するのは2Lのディーゼルエンジンの滑らかさ! 室内にガラガラ音や振動を伝えることなく、それでいてトルクフル。さらに言えば走りも滑らかで、ディーゼルエンジン車にありがちな、超低速域で1速から2速に切り替わる時のショックも皆無。

走行モードは「エコ」「コンフォート」「スポーツ」と、個別設定の4種類。アクセルを踏んでも進みにくいみたいなことはないので、普段はECOで十分かなと。とにかくエンジンのでき栄えにただただ感服。乗り心地もシットリとして快適。動力性能で不満など一切ありません。

さらなる驚きは燃費の良さ! 今回は高速道路8割、一般道2割というペースで走行したところ、リッター20kmを達成したではありませんか。燃料費が高い昨今、コレは実にウレシイ話。長距離移動をされる方は、快適さと燃費でメルセデスは最良の選択肢といえそうです。





また、唯さんが「コレは……」と言葉を詰まらせたのが、車内イルミネーション。クルマをお借りした時の設定のままにしていたのですが、とにかく派手の一言で「これ、消えないんですか? せめてほかの色にしてください」という唯さんでした。
さらに、ドアを開けたらスリーポインテッド・スターのウエルカムライトにも驚き。「ちょっと派手すぎませんか?」という声が上がるのも納得です。ドイツ製品って、こういう派手なところありますよね。お国柄ということで許してください。

「とてもいいクルマですね!」と唯さん。600万円というプライスタグは、国産車だと一回り大きなセダンが買えてしまいますが、そこをメルセデスとするのはアリな話です。仕事から遊びまでマルチに使え、道中も快適なCLA 200d シューティングブレーク。
筆者としてもメチャクチャ気に入ってしまいました。メルセデス、確かに売れているだけのことはあります。お見+それしました。
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モデル紹介――新 唯(あらた ゆい)

10月5日栃木県生まれ。ファッションモデルとしての活動のほか、マルチタレントを目指し演技を勉強中。また2022年はSUPER GTに参戦するModulo NAKAJIMA RACINGのレースクイーン「2022 Moduloスマイル」として、グリッドに華を添えた。