ASCII.jp自動車部のゆみちぃ部長こと、アイドルユニット「純情のアフィリア」の寺坂ユミさんは電気で走るSUVが大好き。ですが、珍しくスポーツカーを指さして「乗ってみたい!」と言うではありませんか。
ということで、今回は彼女の心を射止めた1台、アルピーヌ「A110S」をご紹介します。
ラリーで名を馳せたフランス産の名車「A110」
約40年の時を経てアルピーヌ「A110」が復活したのは2017年のこと(日本導入は2018年)。コンパクトで軽量なボディーに、最高出力約250馬力の2L 直4ターボエンジンを横置きミドシップレイアウトしたA110は歓待をもって迎え入れられました(伝説の名車アルピーヌ・A110が日本限定50台で登場!)。

そして、2022年にマイナーチェンジ。グレード体系をスタンダードの「A110」、グランドツーリング向きの「A110GT」、足回りを強化した「A110S」と最上位のホットモデル「A110R」の4グレードへと刷新。A110GTとA110S、A110Rの最高出力は300馬力へとアップしました。

寺坂さんがA110に惚れたのは東京オートサロン2024でのこと。「A110R TURINI」という限定モデルを見るや、「カッコいい、乗りたい!」と広報担当者にオネダリ。担当者は寺坂さんの姿に驚かれつつも「A110Sならありますので」と快諾。晴れてA110Sの試乗できることになりました(主役はミニバンやSUVだったオートサロン 2024で寺坂ユミがお気に入りを探索)。
サーキット走行を視野に入れたA110S

A110SはA110をベースに、エンジン出力を40馬力アップさせただけでなく、前後のスプリングを従来比1.5倍に硬くするなど、よりスポーツカーの要素を高めたモデル。それに合わせてダンパーやスタビライザーを固めたほか、タイヤを少し幅広化。さらにESC(横滑り防止装置)のトラックモードをリプログラミングと、サーキットでのスポーツ走行を視野に入れたクルマに仕上げられています。



寸法は全長4230×全幅1800×全高1250mm、ホイールベースは2420mm。


A110SとノーマルA110の違いはというと、エンブレム周りがマットブラックになり、Cピラーのデザインが変更された程度。一目見ただけではほかのグレードとの違いは見出せません。この「いかにも」感が薄いあたりに、アルピーヌの上品さをうかがわせます。
ラゲッジは狭くエンジンルームも見られないが
限定色の特別感や内外装のデザインの良さが魅力


A110Sを目の前にした寺坂さん。バニーユ(バニラ)という特別色(オプションで80万円)に彩られた車両です。ちなみにA110の特別色は110台限定だそうで、車内にはそのシリアル番号が明示されています。








収納はフロントとリアに用意。フロントは底が浅すぎて、ブリーフケースが入る程度で、リアはボストンバックが1個入る程度。スポーツカーに実用性を求めるのは酷というものですが、それでも「もう少しあってもいいかな」と正直な感想。


エンジンを拝もうと思いましたが、簡単に見ることはできません。
シートポジション合わせは手間が必要




アルカンターラの内張りは実にレーシー。さらにSabelt製のフルバケットシートが気分を盛り上げます。「カッコいい! オシャレ!」と喜ぶ寺坂さん。さっそくシートに身をゆだねようとしますが、「ちょっと、これ、座りづらいです」と乗り込みに苦労されている様子。


続いてシートポジション合わせ。リクライニングがないことはわかっていたのですが、さらに「高さ調整ってできないんですか?」とのこと。シートの高さ調整は、シートをシートレールごと外し、シートレールとシートの取り付けネジを変更しなければならないのです。リクライニングシートのA110GT以外のA110は、すべてこの仕様です。


メーターパネルはフルデジタル。ステアリングホイールはアルカンターラ巻きで、SPORTモードボタンが近くにあるのがポイント高し!
Apple CarPlayとAndroid Autoに対応した!


マイナーチェンジで車載インフォテインメントはApple CarPlayとAndroid Autoに対応したのもトピック。最初の頃は標準でスマホホルダーが付き、その後、謎のアプリをスマホにインストールしていた事を思い出すと、ようやくイマドキのクルマになったなぁという気がします。


バックモニターも用意。


カーオーディオはフランスのハイエンドメーカー「フォーカル」の手によるもの。フランス特産の“麻”(フラックス)をコア材に用いたWサンドウィッチコーンと、同じ素材を用いたツイーターでシームレスな音が楽しめます。
上質な排気音で気分は高揚
サーキットじゃなくても十分楽しい走行性能

エンジンをかけると、背中から心地よいメカノイズと排気音が聴こえます。うるさすぎず、それでいてキチンと主張。「助手席に座っている時は、ちょっと大きいかなと思ったのですが、運転する時は、このくらいがちょうどイイですね」とニンマリです。

足は硬めとのことですが、ライバルのポルシェ「ケイマン」や「ボクスター」のような突き上げの厳しさはなく、実にフレンドリー。意外にも快適だったりします。フロントバンパーが地面に対して並行ではなく、やや前上がりなので、ガソリンスタンドに入るときにガリッ! という怖さは少ないです。

ステアリングを握りながら「めちゃくちゃ楽しい!」と、寺坂さんは大喜び。「加速する時、背中を押される感覚がありますね。ステアリングはちょっと重たいけど、自分を中心にクルマが曲がるのはとても新鮮」とミッドシップレイアウト特有の動きに、楽しみながらも興味津々。
「それにカーブを曲がっていて、クルマが傾かない(ロールしない)んですよ」とも。
「クルマが大きすぎないのもいいですね。ちょうどいい大きさです」と、日本の道にピッタリサイズであるところも好印象。一方でシートの高さが合わないことと、ノーズ形状に対し不満があるようで、「鼻先がどのあたりなのか、ちょっとわかりづらいです」とも。
視界でいえば「ナナメ後ろが見づらいかなぁ」とも。とはいえ、バックカメラもついていますので、車庫入れで苦労することはなさそうです。

「運転している時は楽しかった!」とご満悦の寺坂さん。「荷物は載らないですし、2人しか乗れないですが、1台目に選ぶことは難しいけど、2台持ちができるなら考えちゃいますね」という素直な胸の内を吐露されました。

「オシャレなスポーツカーっていいですね」とニンマリの寺坂さん。次は何を乗りましょうか?
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寺坂ユミ(てらさかゆみ)プロフィール

1月29日愛知県名古屋市生まれ。趣味は映画鑑賞。志倉千代丸と桃井はるこがプロデュースする学院型ガールズ・ボーカルユニット「純情のアフィリア」に10期生として加入。