長い年月にわたってインテルの後塵を拝していたAMDのCPUが、7月に入って大躍進している。全国の家電量販店・ECショップからPOSデータを集計した「BCNランキング」によると、週次販売数シェアでAMDは、7月第2週(8~14日)で67.4%を記録、5月第1週(6~12日)の36.8%に比べてほぼ倍増させた。
直近の7月第4週(22~28日)では、60.2%とやや落ち着きを見せているものの、ライバルのインテルに20ポイント以上の大差をつけている。

 主な要因は、AMDが発売した新製品だ。折からのインテルによるCPUの供給不足に加え、AMDが7月7日に新しい「Ryzen」シリーズを相次いで発売したことが奏功している。これまで2万円を下回っていた平均単価も、2万円台後半まで上昇。販売金額シェアも、直近の7月第4週で55.6%まで上昇した。
 一方、7月第4週に売れたノートPCやデスクトップPCに搭載されているCPUのメーカーシェアを集計すると、インテルが85.0%と依然として圧勝している。BCNランキングのデータが全国の家電量販店・ネットショップの販売実績という点から、CPU単体についてはPCの自作市場における販売動向を色濃く反映している。そのため、完成品のPCに搭載されたCPUのメーカーシェアとCPU単体のシェアで真逆の結果になった。
 とはいえ、これまでインテルはCPU単体市場でも圧倒的なシェアを誇ってきた。それだけに今回、AMDが大きく逆転したのは大きな出来事だ。(BCN・道越一郎)
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