【上海発】調査会社のIDC中国と中国音楽映像協会ゲーム委員会がこのほど発表したレポートによると、2019年上半期の中国ゲーム産業の市場規模は1140億2000万元(約1兆7000億円)となり、前年の同じ時期に比べて8.6%伸びた。
 15年以降の推移を上半期ごとにみると、中国のゲーム市場は16年をピークに伸びが鈍化していたが、19年上半期は一転してプラス。
IDC中国は、「中国のゲーム市場は徐々に復活し、持続的な成長の方向に徐々に戻っている」とみている。
 成長を牽引したのはモバイルゲームだ。中国政府の規制があった18年は伸び率が低迷したが、19年上半期の売上高は前年同期比21.5%増の770億7000万元と大きく伸びた。19年第2四半期以降、ユーザー数の伸びは鈍化しているとみるものの、上半期は同比6%増の6億2000万人となった。
 中国のゲーム業界では、国内企業の存在感が大きくなっている。ゲーム市場全体のなかで、中国企業が開発したゲームの売上高は921億4000万元となり、市場全体での割合が、前年の同じ時期の76%から80.8%に増えた。

 一方、eスポーツ市場の売上高は同比11.3%増の465億元だった。eスポーツは、依然としてゲーム業界発展の焦点になっており、各ゲームメーカーが、エコシステムの構築や、各ゲームのライフサイクルの延長を目指しているという。
 中国のゲーム会社にとって、収益源は巨大な国内市場だけではない。中国メディアの21世紀経済報道は、8月2日に掲載した記事で、中国のゲーム会社が海外市場を重要な収益源の一つにしていると指摘。19年上半期の海外市場の売上高は、同比20.2%増の55億7000万米ドルに達し、国内市場の売上高の伸び率を上回ったと報道した。
 21世紀経済報道の記事によると、海外市場では、日本と米国、中国、韓国で約79%のシェアを占めるが、中国のシェアは16%と日本の半分程度。
専門家の話として、「中国のゲーム会社が伸びる余地がある」としつつ、中国のゲームメーカーが日米韓各国の企業との競争に直面していると伝えた。(上海支局 齋藤秀平)
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