ポイント還元の対象は、JR東日本のSuica導入済み在来線のみだが、カード型Suicaは、ポイント還元率が0.5%に下がり、定期券・磁気定期券はポイント還元なし。つまり、カード型Suicaユーザーは今すぐモバイルSuicaに切り替えた方が得だ。
すでにモバイルSuica/カード型Suicaを使っているものの、面倒でJR東日本グループの共通ポイント「JRE POINT」が貯まるようにウェブ上で設定していない人も、10月1日以降、初めてJR東日本の路線に乗車する前に事前準備を済ませよう。はしたポイントなど要らぬ、と割り切れるならそのままでも構わないが、例えば、湘南新宿ラインなら乗り換えなし・乗車時間約1時間の新宿-茅ヶ崎間(片道1166円)は往復で46ポイント(46円相当)たまるので、ひと手間を惜しまないことを強くおすすめしたい。
●スマホにはFeliCa必須 非対応なら買い替えよう
まずは、FeliCa搭載スマートフォン(スマホ)を手に入れよう。手持ちの機種がFeliCa非対応の場合、楽天モバイルの「AQUOS sense2 SH-M08」(通話SIMで税別9780円)、ワイモバイルの製品名に「X」の入ったAndroid Oneあたりが安くて2台持ちにおすすめだ。
なお、「AQUOS sense2」はドコモもauも取り扱っている。また、FeliCa搭載Apple Watch series 2以降を併用するなら、安価な「iPhone 6s」でも問題なく、ピッと手首をかざして改札を通れるので最もスマートだ。
今回のポイント還元開始をきっかけに、個人的に、首都圏のSuicaエリア内では、FeliCa非搭載の格安のSIMフリースマホの売れ行きが鈍る可能性が高いとみている。なぜなら、メインのスマホにFeliCaがない場合、2台持ちしなければならず、私鉄沿線在住でも、頻繁にJR東日本の路線に乗るなら、カード型の交通系電子マネー「PASMO」より、2%還元のモバイルSuicaで決済した方がおおむね得すると考えられるからだ。しかも、モバイルSuica定期券のポイント還元は、他社線利用分を含むという大盤振る舞い。沿線価値を高める狙いもありそうだ。
●完了まで2ステップ 面倒でも投げ出さずにトライを
次にSuicaを登録し、JREポイントがたまるように設定しよう。定期券はSuicaカードを取り込んでもいいが、取り込み完了すると一切カードに情報を戻せないので、最初からオンライン発行したほうが手っ取り早い。
詳しい手順は公式サイト(https://www.jrepoint.jp/point/guide/85/)を見ていただきたいが、正直、かなり面倒だ。経験上、登録がややこしかったウェブサービスのワースト上位に入る。登録上の注意点として、JREポイントとSuicaの登録情報が一致しないと登録できず、ユーザーID一つにつき、モバイルSuicaは一つしか登録できない。入れ替えは可で、カード型Suicaならば最大20件まで登録できる。
モバイルSuicaのAndroid版アプリは、必須のクレジットカード登録でJR東日本のクレジットカード「Viewカード」を登録した場合を除き、年間費が発生するが(20年2月26日以降は無料化予定)、Google PayアプリからSuicaを発行すれば年会費はかからない。また、20年春にはAndroid向けサービスのみ楽天ペイ・楽天スーパーポイントと連携予定なので、今後の新サービスにも注目だ。
●JREポイントは、利用店舗がやや少ない共通ポイントサービス
最後にJREポイントのメリットを紹介しよう。JREポイントは、何といってもポイント交換先に「Suicaにチャージ」を選べば、ためたポイントで電車に乗れること。奮発しないと買えないSuicaグリーン券にも交換可能だ。商品交換アイテムには、限定Suicaのペンギングッズや鉄道グッズもある(19年10月1日から交換ポイント数を変更するため、現在は商品交換付を停止)。
他の共通ポイントサービスも同様だが、ポイントを活用する行動「ポイ活」は、家計のやりくりそのもの。収支がマイナスにならない限り、「ポイ活」はやって損はない。(BCN・嵯峨野 芙美)
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