この動きに呼応するように、NTTドコモは12月1日から「ドコモの学割」を開始する。11月22日昼の時点で、ソフトバンク/ワイモバイルは学割キャンペーンを発表していないため、ひとまず、発表済みのau・UQ mobile・ドコモの「学割」キャンペーンを比較する。
●「UQ学割」はMNPを検討する価値あり?
UQ学割では、学生本人とその家族の両方を割り引く。よって家族全員でMNPを検討する価値はあるだろう。
5~18歳の子ども一人、親一人の場合、通常より合計2000円または2500円割引となり、最安の「スマホプランS」(学生本人)と「スマホプランM」(家族)の組み合わせでも6カ月で合計1万2000円安く済む。別途、事務手数料やMNP転出料がかかるが、スマホプランSは、データ容量上限3GBで月額1980円(2回線目以降1480円)なので、同じ月額料金でより多く使えるだろう。もしタイミングよく、契約更新月なら学割による割引分は丸々プラスとなり、更新月以外でも1回線分の契約解除料をほぼ相殺できる。
●大容量プランを安く使いたいならau、ドコモ
auの学割は25歳以下の学生のみ。一新した「家族割プラス」や「auスマートバリュー」など、併用可能な全ての割引を適用すると、auの学割の手続きを行った翌月から6カ月間、「auデータMAXプラン Netflixパック」で月額3480円、「auフラットプラン20N(シンプル)」で月額2980円で利用できる。
auデータMAXプランは原則、データ通信が使い放題(除外あり)。auフラットプラン20N(シンプル)は上限20GBと大容量だ。auの学割による割引額は月1020円または1400円。
ドコモの学割の対象は同じく25歳以下で、新料金プランの「ギガホ/ギガライト」でXiを契約した場合のみ。「はじめてスマホ割」を除く併用可能な全ての割引を適用すると、ギガホは月額3480円、ギガライトは月額980円~3980円で利用できる。
割引適用期間は1年間と長く、割引額も月1500円または1000円と大きいが、UQ mobileに比べ、もともとの月額料金が高いので、割安感があまり感じられない。au同様、「スマホデュー」を促す、既存ユーザー向けキャンペーンだろう。
●大手キャリアのデメリットは「縛り」
ドコモ、au、ソフトバンクの新料金プランの家族割引は、指定の条件を満たす家族3人以上で最大の割引額となる(auは対象外プランあり)。対して、UQ mobile、ワイモバイルは2回線目から同額の割引となり、1人で2台持ちするだけで適用される。
さらに、大手3キャリアの場合、固定回線も同じキャリアの系列で揃えた方が割引の増える料金体系となっているため、他のキャリアから携帯電話1回線を乗り換えるだけでは、最安料金にはならないと思っていたほうがいいだろう。料金プランの特徴を理解して得する家族、気にせずに損する家族と、大手キャリア利用者の中で分断が進みそうだ。(BCN・嵯峨野 芙美)
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