2月7日に三越伊勢丹の日本橋三越本店でオープンする「ビックカメラ 日本橋三越」では、三越本店を長年愛用する富裕層向けにビックカメラにとって初の取り組みが目白押しだ。その中の一つに、富裕層向けに家電を軸にしたデジタルライフの困りごとを全面的にサポートする「ビックカメラ スーパーサポート プレミアム」がある。
最高は月額税込1万4800円でスマートフォンスマホ)やデジタル家電、白物家電に関する全10種類のフルサポートを行う。

●家電カテゴリー別に四つのサポートメニューを用意
 同サービスはビックカメラ 日本橋三越だけで展開するもので、訪問エリアは東京23区に限る。訪問サービスは月2回までの利用で、それ以降は訪問料金として税込4000円がかかる。
 フルサポートの「PREMIUM ホームトータルサポート」はスマホとPC、タブレット端末、テレビ、カメラ、家電製品までの困りごとをサポート。カメラは専門スタッフによる各部清掃や撮影テストを行う。
 10種類のサービスの内訳は、(1)自宅に訪問して購入商品の説明や配送設置の立ち合いをするコンシェルジュ、(2)家電・買替コーディネート、(3)プレミアムリペア(修理)サポート、(4)家電定期メンテナンス、(5)消耗品サポート、(6)プレミアム電話サポート、(7)インターネット(ルータ)設定、(8)ネットワーク機器設定、(9)カメラ・レンズ定期メンテナンス、(10)パソコン・スマホトラブルサポート――と幅広い。

 
 ホームトータルサポートのほかにも、PCやタブレット端末に限定したデジタル家電サポート(月額9800円)がある。こちらは、PCソフトのインストールやアカウントの取得、Wi-Fi設定、データ移行・復旧など全20種の細かいサポートメニューを用意している。
 またスマホの全10種サポートは訪問対応で月額7800円、店舗対応で月額2800円。白物家電の全6種類のサポートが月額4800円など、製品カテゴリー別に合計四つのサービスを用意する。なお、プレミアム電話サポートと定期メンテナンスは各コースで共通となっている。
 家電量販店の接客スタイルはフロアや製品カテゴリーごとに配置された販売員による対応が通常だが、ビックカメラ 日本橋三越では三越の教育研修を受けた約40人の「家電コンシェルジュ」が、顧客1人に対してすべての商品を横断的に提案する。
また約300人いる三越の外商のスタイリスト(販売員)と連携しながらサポートする。
 6階の約1200平方メートルのワンフロアには、大きなソファとテーブルをレイアウトした「クオリティタイムゾーン」を設けて、顧客のニーズを丁寧にヒアリングしながら最適な家電のコーディネートを提案する。
 店舗での接客と訪問サポートを別々のスタッフが対応するのではなく、基本的に1人の顧客に1人の家電コンシェルジュが付くというスタイルも、一部の家電量販企業では取り組んでいるが、販売効率を追求する家電量販店ではあまり見ない取り組みだ。
 
 売上目標などは非公表だが、ビックカメラ 日本橋三越の橋本賢太店長は何をもって成功とするのかとの問いに対して「お客様から問い合わせたがあったときに、担当する家電コンシェルジュの名前で呼ばれる件数が増えること」と語る。
 顧客宅に直接出向いてサポートするスーパーサポート プレミアムの加入件数も、日本橋三越本店を利用する富裕層からビックカメラが支持されていることを示す指標の一つになるかもしれない。(BCN・細田 立圭志)
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