一般家庭のテレビが大画面化し、さまざまなエンタテインメントを手軽に迫力の映像で楽しめるようになった。高画質化や高機能化が進む一方で、変わらないのが設置に関する問題。
テレビを置けるスペースは限られており、部屋のコーディネートはテレビ中心になりがちだ。それを解決する手段として新たなトレンドに浮上しているのが「ホームプロジェクター」の活用だ。その代表格としてエプソンのモデルが注目度を高めている。

●若い世代に支持拡大! dreamioの「EF-100シリーズ」
 かつてはビジネスユースのイメージが強かったプロジェクター。実際に製品のビジュアルも無機質なものがほとんどだった。そのイメージを刷新するべくエプソンが昨年5月に投入したのが、「dreamio(ドリーミオ)」の「EF-100シリーズ」だ。
 家の中で持ち歩けるようなコンパクトサイズで、従来のプロジェクターよりスマートなデザインが特徴。定番のホワイトモデルのほか、投写レンズ側をゴールドで縁取ったブラックモデルを用意している。
 エプソン販売のコミュニケーション推進部の寺島氏によると「EF-100B/W」は「20~40代の若い世代からも支持を受けており、女性の購入者は2割を占める」とのこと。ホームプロジェクターがメインとしていた顧客層とは異なるターゲットに刺さっている。
 売れている理由は「デザインがおしゃれだから」だけではない。色再現の高さに定評がある3LDC方式とコントラスト比にすぐれたレーザー光源を採用し、コンテンツを美しく投写できるのも魅力。
解像度はWXGA(1280×800ドット)、輝度は2000lm、コントラスト比は250万:1で、明るい部屋でもくっきりとした映像を映し出すことができる。
 パソコンやスマートフォンと接続することはもちろんできるが、ホームプロジェクターの新しい相棒としてニーズが高まっているのが、メディアストリーミング端末だ。ホームプロジェクターとテレビの大きな違いは地上波の番組を視聴するためのチューナーの有無だが、YouTubeNetflix、Amazonプライムビデオなどネット配信コンテンツを視聴することが多いというならメディアストリーミング端末を接続すれば事足りる。
 EF-100 B/Wは本体内にメディアストリーミング端末を格納する設計になっているので、見た目をすっきりさせたまま、ネット配信コンテンツへのアクセスが可能。GoogleのChromecastやAmazonのFire TV Stickに対応するほか、エプソン製のAndroid TV端末同梱モデルの「EF-100BATV/WATV」も販売する。
 エプソンダイレクトショップの税別販売価格はメディアストリーミング端末付属モデルが10万2000円、付属しないモデルが9万7000円。2.3mの投写距離で100インチの映像を映し出せる、リビングや寝室で兼用できる、壁だけでなく天井をスクリーンとして使えるなどのプロジェクター独自のメリットを考えれば、テレビよりいかにコスパがよいか理解できるだろう。
●もっとプレミアムな体験を目指すなら“4K”モデル
 同シリーズからはワンランク上の大画面&高画質を実現するモデルも発売されているので、紹介しておきたい。まずはプロジェクターらしからぬフォルムが特徴の「EH-LS500B/W」。レーザー光源採用の超単焦点プロジェクターで、壁の前に置くだけで最大130インチの4K映像の投写ができる。EF-100シリーズより本体サイズは大きいが、テレビボードに設置して使用することもできるので、環境によってはこちらのほうが設置しやすいというケースもあるだろう。
 EF-100シリーズ同様にカラーは2色展開。
ホワイトのほかシックなブラックを用意しており、部屋のインテリアに合わせて選べるのも強みだ。エプソン製のAndroid TV端末を同梱し、本体内に格納する設計も踏襲している。税別販売価格は29万9980円と値は張るが、同価格帯のテレビと比較すれば体験の目新しさはEH-LS500B/Wに軍配が上がる。
 もっと手軽に4K映像を楽しむなら「EH-TW7100」という選択肢もある。こちらはコンパクトなボディながら4K解像度で映像を投写できるモデルで、税別販売価格は19万9980円とEH-LS500B/Wより割安だ。スピーカーなし、コントラスト比4万:1の「EH-TW7000」なら16万9980円まで抑えられる。
 ホームプロジェクターが“専用のシアタールームのスクリーンに映像を映し出すもの”という考えはもはや古い。高画質化&高機能化、本体のコンパクト化、ネット配信コンテンツの台頭などにより“テレビの代用品”という新たな可能性が生まれている。もし新生活に大画面のテレビを購入しようと検討しているなら、選択肢にホームプロジェクターを追加するのもおもしろい。テレビを中心に部屋をコーディネートする縛りから解放され、より自由な生活空間を構築できるはずだ。(BCN・大蔵大輔)

【関連記事】
Android TV採用、+Styleでポータブルプロジェクター「MoGo Pro」出品
ドンキから2万円切りのモバイルプロジェクター、最大120インチまで投影
本体だけでも使える小型・軽量プロジェクター Wi-Fiでウェブ閲覧可能
話題の「popIn Aladdin」が試せるレンタルプラン登場 1年以内なら解約・返品可
まるでポケット映画館、超小型6cmのフルHDモバイルプロジェクター「PIQO」
編集部おすすめ