ローソンは2月18日、「富士通新川崎TS レジレス店」を2月26日~5月25日までの期間限定でオープンし、レジを通らずに買い物ができる“レジなし店”の実証実験を行うと発表した。なお、今回の実験店舗を利用できるのは、富士通の新川崎テクノロジースクエアに勤務する従業員のみとしている。


 ユーザーは、専用のアプリに表示されたQRコードを店頭の端末にかざして入店し、購入したい商品を手にもって店外に出ると、事前に登録した決済手段(クレジットカード)で自動的に決済が完了する。
 ローソンは、同店舗でシステム・店舗オペレーション・防犯・物流面の課題、売り上げの推移、ユーザーの声などのデータを集め、検証する計画。分析結果をもとに、今夏には一般ユーザーが利用できる新たな店舗への導入を検討していくという。
●ローソンと富士通、米企業の技術を結集
 レジなし店舗システムは、米VCOGNITION TECHNOLOGIESが提供する「Zippin」。自動決済に必要なカメラや棚センサーなどの機器と、来店客や商品を認識するためのAI機能、決済や在庫管理との連携機能をまとめた統合システムだ。入店、決済アプリはローソンの戦略子会社ローソンデジタルイノベーションが開発。
マルチ生体認証には、富士通研究所が開発した手のひらと顔情報で本人を特定する技術を採用した。3月16日から、入店時と決済時に利用する。
 今回の実験店舗では、店舗スタッフは弁当やおにぎり、ドリンクなどの商品の品出し作業や整理、清掃は行うが、レジ業務は一切行わない。店内に設置されたカメラが来店客の動きを確認し、商品が置かれた棚のセンサーが来店客によってどの商品がいくつ手に取られたのか判別。ユーザーが店舗を出ると自動的に決済される仕組みになっている。
 これにより、来店客はレジに並ぶ手間を省くことができ、店舗側はレジ対応の省人化による生産性の向上やピーク時間帯の機会ロス削減につながる見込みだ。

 ローソンは、セルフレジの導入や来店客のスマホがレジ代わりになる「ローソンスマホレジ」など、店舗スタッフの作業軽減を図ることで、人手不足問題の解決に向けて取り組んできた。今後も、デジタル技術を積極的に活用し、スタッフにとって働きやすい店舗づくりを目指すとしている。
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