●2000万のスマホ契約目指す
まずネットワークについては、新しい周波数帯をフル活用する高速大容量と、そのポテンシャルを最大限に引き出すためのネットワークの構築が重要とし、2023年度までに親局の基盤展開率を97%に高める。合わせて20年度当初に移動式の5G基地局(キャリー5G)を全国に33台配備する。
スタート時の5Gエリアは、20年3月末に全国150カ所、500局。これを6月末に47都道府県の主要施設、21年3月末に全政令指定都市を含む500都市、21年6月末に1万局、22年3月末に2万局というロードマップを示した。現在の「点」に過ぎない5Gエリアを、「面」に拡大していく。中でもキャリー5Gは、都市部に限らずスタジアムなど5Gネットワークが必要な場所に柔軟に対応するために役立つ。
通信速度は、20年3月末に下り最大3.4Gbps、上り最大182Mbpsであるのを、6月以降に下り最大4.1Gbps、下り最大480Mbpsにしていく。
デバイスの取り組みについては、5G対応スマートフォン(スマホ)の契約数で23年度中に約2000万契約を目指す。吉澤社長は、「5Gに接続する機器を持っていないユーザーにもアリーナやスタジアムで体感できる5G環境を整備する」として、20年に茨城県のカシマサッカースタジアムと21年に有明アリーナでの環境整備を発表した。
ドコモ初となる5G対応スマートフォンは、3月25日に「Galaxy S20 5G SC-51A」と「AQUOS R5G SH-51A」、4月下旬以降に「LG V60 ThinQ 5G L-51A」と「Xperia 1 II SO-51A」、5月下旬以降に「Galaxy S20+ 5G SC-52A」、6月下旬以降に「arrows 5G F-51A」の6機種を発売する。
また、5G対応Wi-Fiルータとして5月下旬以降に「Wi-Fi STATION SH-52A」と、6月以降に東京2020五輪モデルの「Galaxy S20+ 5G Olympic Games Edition SC-52A」を発売する。
サービスでは、音楽やライブ、ゲーム、映像、スポーツなどで、8KVRライブやマルチアングル視聴、VRコンテンツなどを楽しめるようにする。
最後の法人向けの5Gソリューションは、現在、3300社を超えたというパートナーを22年3月までに5000社に拡大する。NTTドコモでは、パートナーと300以上の実証実験などを通じて活用モデルを創出してきたが、そのうち22のソリューションを提供していく。
遠隔作業を支援するソリューションやメンテナンスなどで、業務時間を4分の1に短縮する効果を発揮したり、定年退職する熟練工の技術を承継するためのソリューションを展開したりする。サービスを提供するパートナー開拓と並行して、それを活用するフィールパートナーとのビジネスマッチングも活発化させる。
NTTドコモの5Gの事業戦略から見えてきたのは、当初、法人向けソリューションからスタートして、5G対応端末が「点」から「面」で普及するにつれて、一般コンシューマ事業のサービスが充実していく形となりそうだ。
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