MMD研究所と「スマートアンサー」が今年7月に共同でインターネット上で実施した「マイナンバーカードとマイナポイントに関する調査」によると、スマートフォンスマホ)を所有する18~69歳の男女5353人のうち、総務省が実施するマイナポイント事業の「マイナポイント」について「内容を把握している」と回答したのは35.5%にとどまり、そのうち29.8%は「マイナポイントを申し込んでおらず、今後申し込む予定もない」と回答した。

 インターネットユーザーでこの程度の認知率・申込率なので、全くニュースサイトやニュースアプリを見ない非インターネット利用者層、非アクティブインターネットユーザー層を含めると、大多数にマイナポイントはよく分からない制度と捉えられているようだ。
9月以降の認知度アップに期待したい。
●マイナンバーカードの健康保険証としての利用受付がスタート
 マイナポイント事業は、2021年3月(予定)から順次、医療機関や薬局で健康保険証代わりに使えるようになる「マイナンバーカード」の普及と、スマホ決済サービス、電子マネー、クレジット/デビットカードなどのキャッシュレス決済サービスの普及促進を兼ねている。
 同調査によると、20年7月21~27日の調査期間までにマイナポイントを申し込んだ、割と気の早い454人が選んだキャッシュレス決済サービスのトップ5は、「PayPay」「楽天カード」「WAON」「au PAY」「Suica」。1位のPayPay、2位の楽天カードを除くと、マイナポイント分5000円相当に加え、独自にポイント付与に上乗せを行うと当初から発表したキャッシュレス決済サービスが並んだ。
 WAONとSuicaは電子マネー。また、楽天の決済サービスのうち、マイナポイントの申込数は「楽天カード」「楽天Edy」「楽天ペイ」の順となり、以前から感じていた通り、楽天スーパーポイント/楽天ポイントがたまる「楽天経済圏」の強さの鍵は楽天カードにあると感じた。
●関東私鉄沿線ユーザーはあまり知らないSuica/JRE POINTのメリット
 記者は、子どもの分のマイナポイントにSuicaを選んだ。選択するだけで1000ポイント(1000円相当)のJRE POINTが上乗せでもらえるからだ。なお、実際に入力するのは「JREポイント交換番号」となる。申込後、「Suicaでマイナポイントに申し込んだ皆さまへ~家族のマイナンバーカードもSuicaでマイナポイントに申し込もう」という内容のメールが届いたので、まず間違いなく設定は完了しているようだ。
 首都圏の私鉄沿線在住者は、駅ビル・駅ナカの対象店舗でSuicaで決済するだけでJRE POINTがたまる便利さ、定期券やきっぷ、Suicaチャージなど指定商品に限り、ポイント還元率が通常の3倍の1.5%にアップするビューカード(JRE CARD含む)の高還元をご存知ないだろう。
 毎月月末には、ポイントカードを提示してポイントがたまるJRE POINT加盟店で実質10%還元となる「プレミアムフライデー JRE POINTプレゼントキャンペーン」を開催。
最近は、対象期間にオンラインショップの「JRE MALL」でビューカードで決済すると、JRE POINTをプレゼントするキャンペーンなども不定期に実施している。
 大袈裟ではなく、キャッシュレス派にとってポイントは現金相当の価値がある。現金5000円、所定の手続きだけでもらえると案内されたら誰でも喜ぶものだと思っていたが、現実は違うようだ。だからこそ、「マイナポイントを知らない」「マイナポイントを申し込む気がない」と回答する層がいるということだ。
 今年6月末で終了した経済産業省の「キャッシュレス・消費者還元事業」または総務省の「マイナポイント事業」は、現金しか利用できない店舗・サービスがほぼ皆無になるまで継続し続けるべきだと考える。どちらがより一般層から反響があるのか、各種調査結果を待ちたい。(BCN・嵯峨野 芙美)
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