以前からエクステリアのデザイン性は目を見張るほど向上しており、欧州車にも負けないようになっていたのは事実。ただ今回紹介する「MX-30」に乗って、インテリアもここまですばらしいのかと驚愕した。もちろん車の良さというのは人それぞれで、走りが物足りないという意見もあるだろう。ただ、筆者個人としては、現代的な乗り方においてかなり完成度の高い車に仕上がっていると感じた。
●復活した観音開きドア、瞬時に圧倒されるデザイン性
筆者が一番うれしかったのは観音開き式フリースタイルドアの復活だ。人生で最初の車を購入する決め手となったこのフリースタイルドアはロータリーエンジンとともにマツダを象徴する仕様。RX-8以降出ていなかったこの仕様が便利かと言われれば必ずしもそうではないがロマンがある。
インテリアのデザインも秀逸だ。ダッシュボードからエアコンの吹き出し口に至るまで一部の隙もなく作り込まれている。普段カーシェアやレンタカーでさまざまな車に乗るが、ここまで隙がなく作り込まれている車内空間は見たことがない。その上、素材はペットボトルをリサイクルした繊維素材や糸を採用。プラスチック中心の内装でどうしても安っぽく見えがちな国産車だが、マツダは同じプラスチック原料でも温かみを感じるような使い方をすることで欧州車のような上質感を実現した。