ビックカメラは、5年以内をめどに家電メーカーから派遣されている販売員の受け入れをやめることを明らかにした。管理職などに就いている30歳前後の自社従業員を販売員に転換し、段階的に切り替えていく。
コロナ禍にリアル店舗に来店する顧客への提案力を高めたり、フロアの垣根を超えた幅広い商品知識に精通した販売員を育成することで、同社がパーパスに掲げる「お客様の購買代理人として、くらしにお役に立つくらし応援企業」の実現を目指す。

●給与面でも管理職と同等にする方針
 ビックカメラが家電メーカーから派遣されている販売員の受け入れをやめるにあたり、2021年の年末から計画を開始した。既に店長代理やフロア責任者といった役職者を、研修を通して販売員リーダーに転換している。
 同社によると、メーカーから派遣されている販売員は全販売員の約3割。今後、理解を得ながら調整し、切り替えを進めていく。
 「コロナ禍により、駅前の店舗に気軽に立ち寄る機会が減っているので、提案力の重要性が増している。来店されたお客様がどのような暮らしをしたいのかをくみ取り、コーナーを越えた提案をするには、自社の従業員が案内することが適切だと考えた」(ビックカメラ広報)と計画の背景を説明する。
 2022年春には、給与面でも管理職に就かなくても実績に応じて管理職と同等にする仕組みをつくる方針。8月までに、販売職に切り替わる従業員に対して、商品知識や接客などの教育を施す研修制度も用意する。
 また、ECとの差別化もある。2021年8月期の決算によると、ビックカメラグループ全体のEC売上高は1564億円(前期比108.9%、EC化率18.8%)と、コロナ禍によりECの利用が増えている。オンラインでは難しい接客による提案力を磨くことで、リアル店舗の付加価値を高めて来店を促す狙いもある。
(BCN・南雲 亮平)
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