先日、動画撮影に利用する5インチの小型液晶モニターをアメリカの通販サイトで購入した。
箱から取り出し、早速動作テストを行った。1点だけネットワーク接続で問題が見つかった。本国のサポートに問い合わせると、製品不良と思われるので、販売店で返品・交換してほしいとのこと。当該の機能はほとんど使わないので、そのままにしておいても良かった。しかし、思い切って返品・交換を試してみることにした。B&Hでは初体験だ。サイトの購入履歴から、返品の項目を選び、理由を添えて良品と交換したい旨入力。すると、すぐにRMA(Return Merchandise Authorization)番号が発番された。これで返品の受付が完了。同時に交換品に同梱する専用の送り状もPDFで発行された。
B&Hでは不良品の返品・交換の際、アメリカからの送料は無料だが、返送料は負担する必要がある。返送にはヤマト運輸の国際宅急便を使った。色々調べて最も安かったからだ。とはいえ、一番小さな荷物で3700円。せっかく割安で買ったはずなのに、国内価格との差がなくなっていく。1週間弱で先方着。すぐに代替品が送り返されてきた。往復で正味2週間程度だった。しかし、再びDHLから消費税を支払えとのメールが届く。今回は購入したわけではなく、無料で交換してもらった商品だ。
よくよく聞いてみると、不良品などを海外に返品する際は、発送する前なら、その商品にかけられた関税や消費税を還付してもらう手段があるという。財務省関税局によると「個人的に使用するために通信販売やネットオークションで購入し、輸入した品物が、予期していた品物と異なっていた場合」には「輸入が許可されてから6月以内であること」「輸入時の性質及び形状に変更が加えられていないものであること」を条件に、輸入時に課された関税や消費税の還付を受けられるという。詳細は省くが、結構面倒な手続きが必要だ。返送する前に、税関に5通の書類を添えて現物を提示し、検査を受ける必要がある。
今回のケースでは、すでに返送してしまっているので、もう還付申請はできない。しかし、返送前に制度を知っていたとしても、申請したかどうかは微妙だ。満額還付されたとしても2100円。書類の手間もさることながら税関まで出向くことを考えれば割に合わない。いずれにせよ、海外通販で返品・交換する際には、交換品が届く時点でも課税対象になる、という点には留意しておきたい。こうしたリスクと価格を天秤にかけた上で買うかどうか判断だ。まあ、海外通販はトラブルも楽しむぐらいの気持ちで利用するのがちょうどいいだろう。ちなみに今回は、交換した商品でも問題は解決しなかった。やれやれ。(BCN・道越一郎)
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