バルミューダは5月12日、「BALMUDA Phone(バルミューダフォン)」を擁するスマートフォン事業からの撤退を発表した。2021年11月に寺尾玄社長自らプロダクトのデザインを手掛けて新規参入した事業は、わずか1年7カ月で終了する。


●ソフトウェアのアップデートは2023年11月まで
 スマホ事業を終了する理由について「総合的に検討した結果、ほかの事業に注力するべきと判断した」とする。
 ソフトウェアの定期的なアップデートは23年11月まで提供を予定。その後も致命的な脆弱性などが見つかった場合は、対応を検討する。SIMフリーモデルとソフトバンクモデルの修理受付は、26年9月30日で終了予定となる。
 バルミューダ製アプリの使用については、これまで通り利用できるが、「サポートを終了する際は、十分な日程をもって事前に告知する」とする。
 メモのデータの別端末への移行について、BALMUDA Memoに保存したデータはGoogleドライブにバックアップできるが、BALMUDA Phoneのメモアプリ以外にデータを戻すことはできない。
 スケジューラのデータの別端末への移行は、ユーザーがスケジューラアプリと連携したGoogleアカウントやMicrosoftアカウントに紐づいているため、同じアカウントでログインすることでデータ移行(同期)できる。
 ただし、カテゴリーアイコンや重要度などはBALMUDA Schedulerにしか反映されない。BALMUDA SchedulerはGoogle Playから単体でダウンロードできるため、別端末にインストールすることで全データを引き継げる。BALMUDA Schedulerの提供、サポートは今後も継続する予定だという。
 「BALMUDA Phone」は、寺尾社長が10年ぶりに自らプロダクトのデザインを担当し、こだわりを詰め込んだスマートフォン。
 「河原に落ちている石」をモチーフにしたデザインや、ジーンズのように使うほど味が出る素材加工、あえて4.9インチという小型サイズへのこだわり、手になじむグリップ感、曲線だけで構成される人間工学に基づいた設計などを全面にアピールしていた。
一から自前のアプリを開発し、利便性の高いスケジューラなどソフトウェアのこだわりも話題を集めた。
 携帯端末の開発中に得た数々の発見と知見は、今後提供する製品の新たな価値に反映させていきたいとする。(BCN・細田 立圭志)
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