●西日本で二番目に高い山「剣山」
「剣山(つるぎさん)」の標高は1995mで、愛媛県の石鎚山に次ぐ西日本で二番目の高さを誇ります。日本百名山にも数えられる名峰ですが登山道は比較的緩やかで、「剣山観光登山リフト」もあるので初心者も安心です。起点となる見ノ越駅(標高1420m)から山頂近くの西島駅(同1750m)まで、木々の間をゆっくり進むリフトからも季節ごとに変わる景色を楽しめます。
西島駅からは四つのルートに分かれていて、体力やその日の気分によって選択できます。私がよく行くのは初心者向けの大剣道コース。少し傾斜はありますが、植物の写真を撮ったり、景色をぼーっと眺めたりしながらゆっくりと登るのがお気に入りです。
剣山の山頂は、広くなだらかな丘のようになっていて、ゆっくりと景色を楽しむことができます。山小屋「剣山ヒュッテ」など休憩スポットもあり、ベンチや草地に腰をおろして、思い思いの時間を過ごしている方を多く見かけました。
●剣山は「失われたアーク」が隠された山?
登山に人気の剣山ですが、この場所に「失われたソロモンの秘宝」が隠されているというのは有名な話。単なる都市伝説ではなく学術的な研究・調査も進められているほどです。
ソロモンとは、旧約聖書に登場する古代イスラエルの王のことです。約3000年前に聖地エルサレムの神殿にソロモンが祀ったとされる「石板」「つぼ」「杖」と、それらを納めた「聖櫃(アーク)」を総称して「ソロモンの秘宝」と呼ばれています。
そのソロモンの秘宝が、古代イスラエルから秘密裏に日本に運ばれ、剣山に隠されたとされるのが「剣山のソロモンの秘宝伝説」です。なんとも壮大なストーリーですよね。でもこの話、単なる都市伝説かというとそうでもなくて、剣山には伝説を裏付けるような数々の“痕跡”が残されているんです。
イスラエルの礼拝所とそっくり「磐坂神明神社」
剣山に向かう道中、美馬市穴吹町にある磐坂神明神社には、約1000年前に建てられたとされる祭祀遺跡があります。南北約7m、東西約22mにおよぶこの遺跡の形が、ユダヤの礼拝所と酷似しているんだとか。この地を訪れたイスラエル大使からも「そっくりだ」とお墨付きをいただいているそうです。
山頂の奇岩は「神の守り」?「鶴岩、亀岩」
剣山は昔、「鶴亀山」と表記され、山頂近くには「鶴岩」「亀岩」と名付けられた巨大な奇岩があります。
この鶴と亀という名前にも、実はイスラエルとのつながりが。
他にも「剣山の麓の地域に残る古い民謡が【三つの宝が運ばれてきたこと】を唄っている」、「麓の街には、昔は『くりすと』と呼ばれた栗須渡(くりしど)神社がある」など、古代イスラエルとのつながりを暗示するものがたくさんあります。信じるか信じないかは、ぜひ現地に行って判断してみてください。
●頂上からの景色は、秘宝級
秘宝が実在するかしないかは別にして、剣山からの景色はまさにお宝級の美しさ。夕陽に照らされる山並みや、朝日に照らされる雲海など、人生で一度は見るべき絶景が広がります。
夕陽が雲の合間から覗く様は、まるで教会にかかる宗教画のよう。時間を忘れて見入ってしまいました。
一晩明けた翌朝は、最高に美しい朝日が迎えてくれました。連なる山々の向こうから顔を出す太陽は、ダイナミックな地球の美しさを感じさせてくれます。
●剣山を120%楽しむなら山小屋ステイがおすすめ!
夕日と朝日の両方を楽しみたいなら、山頂の山小屋「剣山ヒュッテ」に宿泊しましょう。食事なしの素泊まりも可能ですが、せっかく泊まるなら食事付きプランがおすすめです。
食事を終えてゆっくりしたら星空観察へ。街の光がほとんど届かない山頂の星空は、今にも星が落っこちてきそうなほどの迫力でした。標高が高いので夏場でも防寒対策は必須です。
古代のミステリーとダイナミックな自然の絶景に酔いしれる剣山。ぜひ一度、訪れてみてください。(フリーライター・甲斐りかこ)
甲斐りかこ
徳島在住のライター、イラストレーター。千葉県出身。オーストラリア、中南米、インド・ネパールなどの旅を経て、2018年に四国の小さな港町へ移住。地域活性化支援企業にて、行政と協力した地方創生プロジェクトの広報PR業務に従事。21年よりフリーランスとなり、全国各地の素敵なヒト・モノ・コトを取材しています。
【関連記事】
町民運動会で家探し? 田舎町での「空き家探し」事情
幻の柑橘「柚香(ゆこう)」とは? おすすめの使い方と料理アレンジを紹介!
秋の旅にもキャンプにも! ワークマン「ジョイントバックパック」が超おすすめな理由
ゴキブリ対策にミントとスパイス! 古民家暮らしを快適にする「おすすめ虫対策」
「田舎×リモートワーク」のリアル 川遊びと草むしりで叶えるストレス“レス”な暮らし