24年1月22日に発表された「BCN AWARD 2024」から、パソコンを取り上げる。デスクトップPCとノートPC、タブレット端末それぞれの受賞企業と市場状況についてみていく。まず、パソコン市場全体に言えることだが、22年からの半導体不足、円安や物価上昇の影響を大きく受けて、販売価格が軒並み上昇した。色々な要因が影響し、パソコンの販売は振るわなかったものの、新しい兆しも見え始めている。
まず、デスクトップPC部門において、AWARDを受賞したのは富士通だった。23年は8か月で首位を獲得、その勢いが年間首位につながった。27インチのモニタ一体型で、Core i7や16GBのメモリを搭載した「FMV ESPRIMO FH / FMVF90F3B」が富士通をけん引した。デスクトップPC市場では「MINISFORUM UN1245W」などのコンパクトタイプが徐々に構成比を伸ばしている。
次に、ノートPC部門では2位の富士通と0.23ポイントの僅差で、NECがAWARD受賞をした。一年を通じてNECをけん引したのは「LAVIE N15 / N1535/FAL」だった。この製品は15.6インチのモニタ、CPUはCore i3を搭載。ノートPC市場では、ASUSのROG AllyやValve CorporationのSteam DeckといったポータブルゲーミングPCも存在感を示し始めている。
最後にタブレット端末部門では、「第9世代 iPad」がけん引役となり、アップルが2位以下を大きく引き離しAWARDを受賞。タブレット端末市場は、スマートフォンの大画面化も相俟って、販売台数の前年比は92.0にとどまった。上位3社以外にもXiaomiやSAMSUNG、JENESIS、ASUSといったメーカーの販売台数も増加していることから、上位陣の顔ぶれも変わる可能性がある。
引き続き24年もパソコンの販売は厳しい状況が続くと考えられる。しかし、25年のWindows 10のサポート終了にともなう買い替え需要が徐々に始まるとも考えられており、若干厳しさは和らぐかもしれない。(BCN総研・森英二)
実売データ提供販売店(23年12月現在)はアマゾン・ジャパン、エクスプライス、エディオン、NTTドコモ、玉光堂、ケーズホールディングス、コジマ、サードウェーブ、サンキュー、上新電機、ストリーム、ソフマップ、ZOA、ナニワ商会、ビックカメラ、ピーシーデポコーポレーション、三星カメラ、ムラウチドットコム、ユニットコム、楽天ブックス、綿半ドットコム(50音順)。
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。
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