「エディオンで組み立てPCを扱っているの?」――。こうした疑問を持つ一般ユーザに向けて、大手家電量販店のエディオンは7月15日から21日にかけて、同社では珍しい「PC組立応援セール」のチラシ販促を実施した。
その結果、前週は前年比77~88%だった同部門の売り上げが、チラシを打った週は100%を超える実績につながった。

●自作PCを扱っている「気づき」が狙い
 「もともとコンプマートで自作PCやパーツは扱っているので、DOS/Vに特化したチラシを打ってみようと企画した」と販促企画部商品企画課の伊東昌紀マネージャーは語る。
 エディオンでは自作PCやPCパーツを扱うコンプマートが27店舗にある。チラシはこの27店舗の商圏を中心に約40万部まいた。ターゲットは、エディオンでDOS/Vのパーツを購入したことのある40~50代の男性で、昔、PCを自作していたが、最近は遠ざかっていると思われる層だ。
 平行して、自作PCとの親和性の高いWebサイトでもバナー広告を打つなど、地上戦と空中戦の両面作戦を展開した。
 チラシは、SSDやSATA接続の内蔵HDD、PCケース、PC電源などのPCパーツや液晶ディスプレイを全面に打ち出している。デジタルカメラすら掲載していないことから、「デジタル」ではなく「自作PC」に特化していることが伝わる。
 わかりやすく表現すれば、主婦は手に取らないだろうが、一度でも自作PCをかじったユーザーなら手に取るようなチラシに仕上がっている。I・Oデータの液晶ディスプレイやASUSの無線LANルータなど、普段の全店チラシには載らない商品も積極的に打ち出したという。PCも、ナショナルブランドのPCはあえて外し、マウスコンピュータのエッグ・プラスシリーズやレノボ、ASUSだけに絞っている。
 エディオンの顧客ならではの特徴もみられた。
「こうした尖った商品でも、Webよりも店舗に足を運んで確かめてから購入する方が多かった」という。ゲーミングPCのブームも後押しして、従来よりも盛り上がりを見せつつある自作PC。今後も自作PC専用の尖ったチラシを半期に1回、Web告知は毎月打っていく計画だ。(BCN・細田 立圭志)
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