ヤマダ電機は12月8日、本社のある群馬県高崎市の「LABI1高崎」をリニューアルした「LABI1 LIFE SELECT高崎」をオープンした。17年6月の「インテリアリフォームYAMADA 前橋店」からスタートした、家電と住空間を丸ごと提案する新業態は今回で13店舗目。
駅前都市型店舗のLABIでは初の導入となり、新業態にかける本気度がうかがえる。

●スタートから半年 既存の新業態店舗の成果を反映
 JR高崎駅と直結する「LABI1 LIFE SELECT高崎」は、外観に変化はないが、新業態へのリニューアルを強調するために「『家電から快適住空間をトータルコーディネート提案する店』」という看板を大きく掲げる。
 地下1階から5階の6フロア構成で、売場面積は2万685平方メートル。駐車台数は約1000台、従業員は約200名。地下1階はPC本体・周辺機器・カメラ・企業法人/官公庁専用窓口、1階はインテリアリフォーム関連・医療品・化粧品・カフェ、2階は携帯電話・生活家電、3階はAV機器・ソフト・時計・ゴルフ用品、4階は玩具・キッズコーナー、5階はレストランという構成だ。
 新業態の最大の売りであるインテリアリフォームや雑貨を販売する1階フロアは、3か所ある入口にそれぞれカフェ、LED電球や電池などの消耗品、不動産事業の窓口やショールームを配置する。
 インテリアや雑貨は半年前にオープンした新業態の店舗と同様、具体的なシーンを提案しながら家電とインテリアをセットで展示。「間取リッチVR」のようなテクノロジーを駆使した仕掛けも取り入れている。
 ソファやベッドなどの家具は床面だけでなく壁面にも3段で展示し、品数の豊富さをアピール。レジ周りは医療品や化粧品を充実させた。
●ゆとりのある家電売り場 大型什器が存在感を発揮
 地下1階のデジタル家電のフロアも、1階と同じく木目調で統一、落ち着いた照明で家電販売フロアらしからぬ雰囲気を演出する。各カテゴリの商品展示にもこだわる。
例えば、PCコーナーは通路の間隔を広くとり、ゆとりを感じさせる売り場に。カタログや販促ツールは縦置きにすることで商品をすっきり見せる。一部の周辺機器は壁面にレイアウト。スペースの狭さを高さでカバーしている。
 特に力が入っていたのがカメラコーナー。ひとつの商品のスペースを贅沢に使い、商品の作例を展示するなど高級感溢れる売り場になっている。試し撮りができるジオラマやフォトマスターが常駐するレンズバーを設けるなど、商品を選ぶだけではない工夫もある。
 また目を引いたのは、エスカレーター前のVRコーナー。一つの島を丸ごと使って、PlayStation VRからスマホ用VRヘッドセットまで幅広く体験できるようにしていた。大手家電量販店ではあまり見かけないレベルの規模だ。
 「LABI1 LIFE SELECT高崎」は1階だけでなく2階にも高崎駅から直結する3か所の入口がある。こちらでは季節家電、理美容家電・マッサージチェア、洗濯機・照明器具を配置。
マッサージチェアはそれぞれパーテーションで区切り、両隣の顧客が気にならない配慮も施している。
 業態転換の影響で家電自体のエリアは縮小しているが、そこは展示品のカラバリを減らすことでカバーする。例えば、これまで2色すべてを展示していた冷蔵庫を1色に減らし、他の1色はサイズ違いのモデルで展示。顧客のデメリットにはならないように気を配りつつ、スペースを節約する。
 3階はエスカレーターを上ってすぐにDVDやBlu-rayソフトコーナーを配置。オーディオコーナーを挟んだ奥にテレビ売り場が並ぶ。フロアの4分の1程度のエリアを占めるテレビ売り場は品数を揃えつつも、通路は広く構えているので、じっくり距離を置いて商品を吟味することができる。
 4階の目玉は大型の遊具があるキッズコーナー。側で保護者が見守れるように机と椅子も設置している。同フロアでは玩具やゲームを販売。なかでもロボットを多く揃えている。また、フロアの奥にはイベントスペース「LABIゲート」があり、休憩やイベントスペースとして利用するという。

 家電販売エリアで全体を通して印象的だったのが、大型什器だ。なかの商品展示エリアではノイズを極力減らしてすっきりとさせている分、壁面の什器は情報量がたっぷりだ。
 情報量は多いが、デザインにこだわり、解説パネルや液晶ディスプレイを駆使することで店内全体のトーンからは浮かず、むしろシンプルゆえに単調になりがちな売り場のアクセントになっている。(BCN・大蔵 大輔)
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