少子高齢化が進み、人手不足が深刻化する昨今。自社の従業員に採用候補者を紹介してもらう「リファラル採用」も浸透してきており、友人や知り合いと同じ職場になるという可能性も少なくない。
しかしネット上の意見を見てみると、友人と同じ職場で働くことには賛否の声があがっているようだ。一体どのような議論を呼んでいるのか、詳しく見ていこう。

●プライベートと仕事の線引きが難しい? 関係性の構築がカギ
 社会人になると、同じ職場で切磋琢磨して働く同僚や先輩と、仲が深まり友人に発展するケースは多く見られる。しかし、元々の友人や知人と同じ職場で働くという「逆のパターン」には否定的な声も多い。「上下関係が生まれることがあるし、友だちの関係でいられなくなりそう」「プライベートと仕事の顔は違うから、関係性が変わりそうでイヤ」など、今の関係が変わることを嫌がる声があがっている。
 また「友だち同士で固まられると、職場の人間関係に影響が出そうだからやめてほしい」「元々の職場の人との関係性が、友だちが入ると友だちノリになるからおかしな感じになりそう」といった声のほか、「どうしても友だちに苦言は言いにくいから、仕事の関係が甘くなりそう」と仕事が円滑に進まないことを心配する声も見られた。逆に「仕事の面で嫌なところが見えると、友人関係まで壊れそうだから面倒くさい」との意見も。
 一方で賛成派からは、「プライベートと仕事を分けて接することができれば、むしろ人間性がわかる相手と仕事できるのはラク」「質問や相談はやっぱりしやすいし、意外と円滑に仕事が進むよ」「共通の話題が増えてもっと仲良くなった」といった声があがっている。知り合いのいる安心感だけでなく、性格や相性がわかる相手とともに働くことはプラスの要素もあるようだ。
 中には「仕事中はお互い敬語で接するようにしてる」「入社前に相談してプライベートと仕事は区別をつけようって話したよ」というアドバイスも。お互いに工夫や線引きをすると、うまくいくケースもあるらしい。
 「リファラル採用」には、人手不足解消はもちろん、紹介者である友人が社内にいることからすぐに退社する可能性が少ないことなどメリットも多い。
今後「リファラル採用」がさらに浸透する中で、各社がどのような工夫をしていくのかにも注目していきたい。(フリーライター・井原亘)

井原亘
元PR会社社員の30代男性。現在は流行のモノや現象を追いかけるフリーライターとして活動中。ネットサーフィンとSNS巡回が大好きで、暇さえあればスマホをチェックしている
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