2017年はWi-Fi機能を標準で備えたエアコンを製品化するなど、家電メーカーとして、このところ存在感が高まってるアイリスオーヤマ。家電量販店・オンラインショップの実売データを集計した「BCNランキング」の年間データによると、「LED電球・蛍光灯」カテゴリで、前年3位だったアイリスオーヤマは、17年は2位に浮上。
しかも、1位のパナソニックにわずか1.6ポイント差まで肉薄した。

●LED電球はパナソニック・アイリスの2強に
 「BCNランキング」では、LED電球とLED蛍光灯をあわせて「LED電球・蛍光灯」と分類しており、そのうちLED電球が95%以上を占める。アイリスオーヤマのLED電球での快進撃の始まりは16年から。15年はわずか2.9%に過ぎなかったシェアが、翌16年には13.9%と急上昇。17年には28.3%と、3割近くまで拡大した。
 もちろん、シェアだけではなく、販売台数自体も伸びている。
3年連続で、販売台数前年比は大幅なプラスだ。メーカーごとの税別平均単価をみると、アイリスオーヤマは、パナソニックよりも800円ほど安い。
 長寿命といっても、照明器具のソケットに差し込むLED電球は、いつかは交換しなければならない消耗品。安さと信頼性が人気の秘密だろう。なお、17年4月1日から、パナソニックなど他社に追従し、購入日から5年間、不点灯などの故障があった場合に無償修理・交換対応を行う保証制度を導入している。
 同社は、照明器具のLEDシーリングライトも手がけている。
家庭用LEDシーリングライト「ECOHiLUX(エコハイルクス) FE IIIシリーズ」は、平成27年度、28年度と、2年連続で「省エネ大賞」を受賞しており、評価は高い。
 先日、自宅用に購入した12畳用のLEDシーリングライト「CL12DL-FEIII」は、調色・調光機能、リモコンがついて8000円強という安さ。これまで手がけていなかった家電分野への新規参入が毎回、注目を集め、現在、国内外あわせて8つの工場新設が決定済みという、まさに勢いにのるメーカーだと感じた。
 購入した店では、ほかにも、飲むヨーグルトなど、さまざまな発酵食品が作れるヨーグルトメーカー「KYM-013」、ノズルを差し込むだけのふとん乾燥機「カラリエ」、パーティや出来たての料理が楽しめる「IHコンロ鍋セット」、カップのまま野菜ジュースや果物を使ったスムージーが飲めるボトルブレンダー、シンプルながら食パン4枚を同時に焼けるミラートースターなどのアイリスオーヤマ製品がひときわ目を引く位置に展示されていた。個人的な印象になるが、実用性と新たなニーズを引き出すチャレンジ精神に富んだ稀有なメーカーとして注目したい。(BCN・嵯峨野 芙美)
*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。

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