ドラレコ急伸の背景には、自動車自体の販売が好調であることに加え、自転車への「青切符(交通反則通告制度)」導入がある。道路交通法の改正で4月1日に施行された。それまで、自転車に対する取り締まりは、刑事処分で前科がつく「赤切符」しかなかった。軽微な違反は見過ごされてきた。しかし、反則金で処理され刑事処分にはならない青切符が導入されたことで運用が厳格化。信号無視や一時不停止、逆走、歩道の危険走行、スマートフォンを見ながらの運転などの取り締まりが強化された。加えて歩道通行条件の運用も厳格化。歩道でスピードを出したり、歩行者をベルでどかす、車道が危険でないのに歩道を走る、などの行為が取り締まりの対象になる可能性が高まった。自転車は例外的に歩道走行が認められているが、もともと車両扱い。車道走行が基本だ。
車から見れば、すり抜け時の接触や停車中の側面接触、信号待ちでの追突、自転車の急な進路変更による接触リスクなどが高まることが懸念されている。さらに、法改正で、自転車を追い抜く際の「安全配慮義務」も明確化。自転車の右側を通過する際は「少なくとも1m程度」の十分な間隔を確保するか、間隔が取れない場合は20~30km/h程度に減速することが求められるようになった。違反すると側方通過違反で普通車の場合2点、7000円の反則金が科される。こうした環境の変化から、防衛策としてドラレコに注目が集まっている。
ドラレコの販売は、いわゆる「あおり運転」による事件が起こるたびに急増してきた。特に2017年の「東名高速あおり運転死亡事故」や19年の「常磐道あおり運転殴打事件」の影響は大きかった。以後、需要はほぼ一巡し、ここしばらく市場は落ち着いていた。25年春以降は新製品の登場などで、一時的に販売が伸びる場面はあったが、前年並みから大幅な前年割れで推移してきた。メーカー別では、圧倒的なシェアでトップを独走しているのがコムテック。
自転車用のドラレコ、いわゆるサイクルレコーダーも登場し始めており、もはやドラレコは、車も自転車も、万一に備える必需品になりつつあると言えるだろう。(BCN・道越一郎)
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