清流・長良川の流域には、古くから独自の文化が育まれてきた。
「美濃和紙」とそれを使った伝統工芸も、長良川から恩恵を受け発展してきた歴史がある。
日本のものづくりの原点として、今も人々の心を潤している。
今も連綿と昔ながらの製法を伝えている、和紙の里を訪ねてみることにした。
■連綿と受け継がれる、美しい「本美濃紙」の心
その紙は白く美しく滑らかで、手に持つと温かみのある風合いがあり、心を和ませる。
美濃(みの)地方は古くから和紙の産地として知られている。
現存する日本最古の紙として、702(大宝2)年の美濃国の戸籍用紙が正倉院に残されているというから、その歴史はじつに1300年以上にもなる。
中世以降、より高品質な和紙が生産されるようになり、江戸時代には最高級の障子紙としての評価を受け「美濃判」(みのばん)という規格が生まれたほどだ。
美濃和紙の中でも特に高級とされる本美濃紙は、本美濃紙保存会を中心に伝承活動が行われており、2014(平成26)年にはその技術がユネスコ無形文化遺産にも登録されたのは記憶に新しい。
美濃和紙の里会館


美濃の里山で1300年前から続く美濃和紙の歴史や技術、和紙の素晴らしさや未来への可能性を、さまざまな視点から紹介している。手すき体験にもぜひ挑戦したい(予約制)。
岐阜県美濃市蕨生1851-3
電話/0575-34-8111
営業時間/ 9:00~17:00
休館日/火曜(祝日開館)、祝日の翌日、年末年始
料金/大人500円、小中学生250円
美濃和紙あかりアート館

うだつの上がる町並みが、和紙を通したあかりの中に浮かび上がる「美濃和紙あかりアート展」をミュージアム内で再現。過去の入賞作品を多数展示している。
岐阜県美濃市本住町1901-3
電話/0575-33-3772
営業時間/9:00~16:30(4月~9月)
9:00~16:00(10月~3月)
休館日/火曜(祝日開館)、祝日の翌日、年末年始
料金/大人200円 中学生以下無料
(連載その③へ続く)