自毛植毛|【治療も美容も】理想のヘアラインを求めて自毛植毛を...の画像はこちら >>



 この1年、私たちの生活には多くの変化があった。それは髪の悩みに関しても同様で、「コロナ抜け毛」や「リモート映えを意識した美意識の変容」といった話題が取り上げられたことは記憶に新しい。

そして、その解決策としての「自毛植毛」がその存在感と認知度を高めた年だったのではないだろうか。
 自毛植毛をめぐる現状や変化、そして今後について『本気で薄毛に向き合う人が読む本』(KKベストセラーズ)の著者であり、この業界の権威とも呼ばれる「親和クリニック」の総院長・音田正光医師(以下「音田氏」)に話を聞いた。



■女性が主導する新しい自毛植毛のニーズ

 今回の取材時、クリニック来院者数の推移を見せてもらったところ、女性が増加傾向にあることに気がついた。特に、昨年下半期は前年比で約25%増と顕著だが、その理由はなんだろうか。



『もっと「自毛植毛」を広めていかなければいけませんが、幅広い層に存在や効果が認知されてきたと感じています。それととともに、女性患者に限って言えば、私達が意図していなかったニーズが生まれてきているようです』(音田氏)



 それは、薄毛治療とは異なる、いわば美容効果を目的とした自毛植毛の活用だと言う。



『生え際や額の形を整えたい…私たちが「ヘアライン」と呼んでいるこの箇所を修正したいというニーズが増えました。女性来院者全体の7割以上の方が希望しています。中には「小顔に見せたいから」という目的の方もいらっしゃいますので、治療というよりも美容としての自毛植毛と言えるでしょう。想定外の需要でしたが、私たちの自毛植毛に対する知見や技術がお役に立てるのであれば嬉しいです」(音田氏)



自毛植毛|【治療も美容も】理想のヘアラインを求めて自毛植毛を選ぶ女性たち



■マイナスからゼロ、そしてプラスへの活用

 自身の後頭部や側頭部から毛根を移植することで、自分の髪の毛によって薄毛を解消する自毛植毛。この技術によって薄毛治療を諦めてしまった方や、怪我などを理由に毛髪を失ってしまった方を多く救ってきた音田氏。



『これまでの薄毛治療というのは失った髪を取り戻す、いわば「マイナスをゼロに戻す」というものだったと言えます。

しかし、今は技術が向上したこともあり「ゼロからプラス」へも活用できるということがわかってきました。その最たる例が女性のヘアラインの矯正だと言えます』(音田氏)



 ヘアラインの矯正は直接的には髪の悩みではない場合もあるが、髪が生えていない範囲でも発毛させることが可能な自毛植毛によって、理想のヘアライン、そしてヘアスタイルに近づくことができるようになった。
 しかし…と、音田氏は続ける。



『女性のヘアライン矯正は技術的なハードルが高いのです。後頭部と前頭部では毛の太さが異なるため、移植する毛根を的確に選別するだけでも豊富な経験と高度な技術が必須となります。また、女性の前頭部となれば、仕上がりは当然のこと、術後の見た目も重要になってきます。クリニック選びはくれぐれも慎重に行っていただきたいと願っています』(音田氏)



 自毛植毛は外科手術のため、術後のフォローが必須となる。特に術後の部位が目立たないことは多くの施術者にとって安心につながるだろう。誰だって自毛植毛をしたとは知られたくないからだ。
 音田氏によれば、通常はドナーの採取部位を刈り上げてから移植を行うのだが、多くの実績と研究を積み重ねることで、現在は刈り上げをせずに移植することが可能となった。これは結果だけではなく、患者の「バレたくない」という精神的負担を軽減する、心理面にも寄り添った施術法といえるだろう。





■手に入れたのは理想のおでこと、笑顔と自信

 取材を通じて、ヘアラインの矯正を目的とした自毛植毛を行った50代の女性から話を聞くことができた。

手術前の写真では髪の悩みを抱えているようには見えなかったが、本人の気持ちはまったく別だったようだ。



『小学生くらいから額が広いことがコンプレックスでした。何十年も前髪を工夫しながら隠してきましたが、その必要がないことがとにかく嬉しいんです。髪型だけではなく、いろいろやってみたいという気持ちです』





 笑顔でそう語る彼女の生え際は術後4ヶ月が経過し、確かな発毛が見て取れる。しかし、それ以上に印象的なのが、彼女から溢れ出る、その明るい雰囲気だ。
 そもそも、髪の悩みを含めたコンプレックスには明確な定義がない。だからこそ、治療であれ美容であれ、自分にとってそれが悩みであれば改善すれば良いと音田氏は話す。悩みが解消されることで、公私ともに自信を持った生活や人生へつながるからだ。



『自毛植毛によって外見に自信を取り戻し、ポジティブなマインドへと変わっていく。これが私たちにとってもゴールなのです。大げさに聞こえるかもしれませんが、おでこの広さや髪型が変わることで、人生すら変わることがあると考えています』(音田氏)



 彼女は私たちの「自毛植毛をしてよかったですか?」という問いに対して、躊躇なくこう答えた。



『100%、そう思います』



■少し先に訪れる明るい未来を自分で拓く

 自分の髪の毛を移植することで、確かな効果が得られるという圧倒的なメリットのトレードオフとして、自毛植毛は他の治療法に比べると費用と時間がかかる。

そして、それが原因で手術に踏み切れない人は多いと推測される。



『おっしゃる通りです。費用については移植する毛根の数を調整することで解決できる場合がありますし、複数回に分ける方も少なくありません。結果として、思っていたよりも少ない移植数(=費用)で十分だったというケースもあります。モニター割引なども行っておりますので、ぜひ相談にお越しください」(音田氏)



 また、自毛植毛後、十分な効果を感じられるようになるには半年から1年ほどが必要だと言われる。これについてはどうだろう。



『例えば80歳の高齢者がいきなりフサフサになったら、周囲は「え?」となりますよね。その理由は「不自然」だからです。自分の髪が生えていくには、それなりの時間がかかるのが「自然」だと考えてみてはいかがでしょうか』(音田氏)





 薄毛を治す。憧れのヘアラインを手に入れる。治療でも美容でも自毛植毛によって、コンプレックスを解消できる時代が訪れている。そして、既に多くの女性たちが「理想」を現実にしはじめているようだ。


 いよいよ新年度。もし現在のあなたが髪に関する悩みを抱えているのならば、自身で拓くことができる明るい未来について、考えてみてほしい。



編集部おすすめ