評論家・中野剛志氏との共著『思想の免疫力 賢者はいかにして危機を乗り越えたか 』がロングセラー中の作家・適菜収氏。隔週連載の痛快時評第4回。
2019年、自民党による大規模買収事件が広島で発生。元法相の河井克行が公選法違反(買収、事前運動)で実刑って、自民党はどこまで腐っているんだろうね。
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では誰が指示したのか。当初、党幹部は口を濁して逃げ回っていたが、今年5月24日、二階俊博が「党全体のことをやっているのは総裁(当時の安倍晋三)とか幹事長の私。党の組織上の責任はわれわれにある」と自白。菅義偉も「当時の(自民党)総裁と幹事長で行われていることは事実ではないか」と発言(6月17日)。当時の総理大臣と党幹事長が責任は安倍にあると名指ししたわけだ。
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自民党本部が河井案里(有罪確定)陣営に流した1億5千万円について、岸田文雄は、「買収原資として使われなかったことは、十分説明された」との認識を示したとのこと。これで、岸田の正体がはっきりした。要するに安倍延命政権。
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安倍は全国で遊説。疑惑追及から逃げ切るのに必死なのか、自分の影響下にある〝安倍チルドレン〟の当選の確保に躍起になっているという。それ以前に、自分がチャイルドなのにね。
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JR大宮駅近くの街頭演説では「私たちは立憲民主党と共産党に負けるわけには行かないんです。この組み合わせに負けたら、日本はあの悪夢の様な時代に逆戻りしてしまいます」と発言。いつものパターンで飽きられたのか、聴衆ウケはよくなかったという。
これまでも安倍は「民主党政権は悪夢だった。間違いなく」(2019年2月の衆院予算委員会など)と繰り返し、野党に追及されると「国会答弁で悪夢のような民主党と答えたことはない」(2020年3月23日)などと大嘘をついてきた。
先日、バカが「旧民主党の連中は民主党政権の3年間でやったことに対する反省がないから自民党に投票する」と言っていた。民主党よりはるかにデタラメだった9年間の反省のない自民党に!
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先日、バカな記事を見かけた。
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名古屋・西署が窃盗の疑いで病院職員殿山周平容疑者を逮捕。勤務先の病院に入院していた男性のキャッシュカードで、36回にわたり約1600万円を引き出したとされる。署によると「お金を下ろしたのは事実だが盗んでいない」と容疑を否認しているとのこと。
世の中が腐ると泥棒まで安倍レベルになってくる。「募ったのは事実だが募集はしていない」みたいな。
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ぼけ老人のツッコミ合い。
田原が引退すればいいのは事実だが、それを言っているのは、デマを散々垂れ流し続けてきた89歳のボケ老人である。屋山が静岡新聞に書いた「ギクシャクし続ける日韓関係」なるコラムでは「徴用工に賠償金を払えということになっているが、この訴訟を日本で取り上げさせたのは福島瑞穂議員」「実妹が北朝鮮に生存している」などとデマを連ねていた。そもそも福島に妹はいないし、生まれも育ちも国籍も日本。元徴用工訴訟にも関与していない。結局、静岡新聞は謝罪に追い込まれた。
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先日、Amazonのプライムビデオで『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』という韓流ドラマを見た。変なタイトルだが、内容は面白かった。
屋山といえばその時々の政権を礼賛し、デマを流しながら小銭を稼いでいる三流の乞食ライターだが、一体いつまでおごってもらうつもりなのか?
芸は規制緩和と大声をあげ、官僚を悪玉にして大衆受けを狙うだけ。
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デマ屋といえば「Dappi」の件。
安倍晋三や麻生太郎といった特定の政治家が有利になる情報を流す傾向のある「Dappi」なるネトウヨアカウントは、野党議員の発言を捏造したり、切り取り歪曲した動画を流し、たびたび問題になっていたが、このアカウントが個人ではなく東京都内に本社を置くウェブ制作会社により運営されていたことが発覚。その得意先は「自由民主党」だった。
国民を騙すために税金を使って企業にデマや歪曲動画を制作させ、個人を装って、世論形成・世論誘導を行っていたとしたら、国や社会、政治を破壊する蛮行であり、自民党解体も視野にいれるべき案件である。
なお、その企業は、岸田や甘利明が代表取締役を務めていた企業と取引関係にあったという。文字通りの「悪党」である。
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甘利が衆院選の争点について、立憲民主党が政権交代を実現した場合、共産党からの限定的な閣外協力で合意していることを踏まえ、「われわれの自由民主主義の思想で運営される政権と、共産主義が初めて入ってくる政権とどちらを選ぶのかという政権選択だ」と発言。
UR雲隠れやパンツ泥棒が入ってくる政権も嫌だよね。
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「保守」を自称するなら、少なくとも国と社会を破壊し続けてきた自公維に投票すべきではない。猿でもわかる当たり前の話だ。
文・適菜収