昨今CMなどでも目にする機会が増えた「AGA」。しかし、薄毛に悩む人をターゲットにした情報が氾濫している現在、冷静に情報の取捨選択を行うことは難しい…。
薄毛に悩む人はどうすべきなのか。いつ動き出せばいいのか。
自毛植毛のパイオニアとも称される「親和クリニック」の総院長・音田正光先生に話を聞いた。
(※本稿に掲載されたアンケートは同院の術後アンケートより集計)
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■自分の髪を利用できる時代が到来している

 当たり前のようにあった髪の毛が徐々に細くなり、やがて抜け始める。昨今、耳にすることの多くなったAGA(=男性型脱毛症)だ。それに対しては、植毛(自毛、人工毛)や投薬、カツラといった様々な治療法や対応策が喧伝されているが、自分に最適なのは何なのか、また、その効果はどうなのか。情報が氾濫しすぎて、的確な判断が難しいと感じている人は多いのではないだろうか。

「私は『薄毛難民』と呼んでいるのですが、多すぎる情報に惑わされている方が増えています」

 そう話してくれたのは自毛植毛における権威『親和クリニック』で総院長を務める音田正光先生(以下「音田氏」と記載)。本稿をご覧になっている方ならば「自毛植毛」について周知の方もいるかと思うが、その領域におけるトップ・ドクターだ。多忙な合間を縫って、悩める薄毛難民のために自毛植毛を中心としたAGAについての話を聞かせてもらった。

 「現代科学では髪の毛を増やしたり、ゼロから生やすことは難しいです。もし髪の毛を生やすことができる薬があれば、ノーベル賞に値する発明だと思います。

ご自身の薄毛の状態によって最適な治療法は異なりますので、どうか一人で悩まないでいただきたいですね」

 音田氏のもとへは全国から様々な症状、治療経験を持った患者がやって来る。中には数年も一人で悩み、効果のない治療を試し続けてしまった人や、他クリニックでの植毛手術に納得ができず、リカバリーに訪れる人も少なくないのだとか。
 つまり、薄毛治療の一つのゴールとして、多くの人がたどり着くのが「自毛植毛」なのである。

 自毛植毛は文字通り「自身の毛」を活用する方法であるため、極めて自然な仕上がりが望める。また、人工毛とは異なり、移植した場所で“自分の髪”として成長してくれる。つまり「抜けても生えてくる」。
 科学技術が進歩し、自然に薄毛を解消できる時代が訪れているのである。


■AGA最大の敵は悩んでいる時間

 自毛植毛は自身の後頭部から毛根を移植する行為である。そのため、そこに至るまでの心理的なハードルは低くはない。そして、当然ながら医師には高い技術力も求められる。

植毛の進化論! 情報があふれる薄毛治療において何が正解なのか?「自毛植毛」最前線の医師に聞く

 「そもそも、病院に行くこと自体のハードルが高いですよね。それに、自分ではわかっていても、医者から『ハゲ』と断定されるのは怖いでしょう。

もちろん費用や手術への不安も大きいはずです。だから、最初はなるべく病院に行かないで済むような、負担の軽い方法からはじめてしまうんです」

 なんとかなるんじゃないかという『淡い希望』、できれば負担を軽減したいという『甘え』、まだ大丈夫だと思いたい『プライド』。おそらく、そういったものが薄毛難民の行く手を阻んでいると考えられる。
 しかし、ぜひ覚えておいてほしいのは、AGAは放置しておくとどんどん進行してしまうということだと、音田氏は語る。

「悩んでいる時間が一番もったいないと感じます。例えば1年早く来てもらえれてれば、移植する髪も少なくて済みます。つまり、手術時間や費用といった患者様のご負担を抑えることができるのです」

 それでも、やはり踏ん切りのつかない患者は多いようだ。取材時に特別に拝見させてもらった「術後アンケート」によれば、「自毛植毛をしよう」と思った方でも、実際にクリニックへ訪れるまで1ヶ月以上を要した方が4割弱、3ヶ月以上かかっている方も相当数いることがわかる。

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 「『もっと早くやれば良かった』というのが、アフターケアで来院された患者様からよく聞く言葉です。もちろん嬉しいのですが、やはり私としては『もっと早く相談に来ていただければ…』とも思ってしまうのです。
 

■顧客ファーストから生まれた「メスを使わない施術法」

 先に紹介したアンケートにある「自毛植毛を検討する中で重要視した項目」では「手術方法」「ドクターの評判」「症例数」の回答が多数を占める。

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 同様に、検討中に印象に残ったキーワードとしては「メスを使わない・定着率95%・MIRAI法」などが上位に挙がる。

薄毛に悩む方が「痛みのない手術」と「高い効果」を懸命に模索していることがよくわかる。

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 音田氏は従来手術を進化させた、メスを使わない「MIRAI法」を確立したことや、従来の常識を覆す短時間大量移植の成功実績において著名である。しかし、それは医師としてのエゴや技術力のアピールなどとは無縁だ。

「手術時間が短いということは、患者様の身体的な負担を減らすことができるということ。MIRAI法は、痛みの軽減や効果を考えた結果として生まれたものです。『生着率の高さ』についても同様で、効果を最大化すべく虚血時間などのテストを繰り返した結果なのです。当たり前のことをきちんとやるだけです」

 事実、この領域において他の追随を許さない氏のもとへは、現役のドクターも患者として来院しているという。
 また、最近流行のロボットを使っていないのは、個人差のある人の毛根は機械的に扱うべきではないという思いからだと言う。「毛根移植は臓器移植」とも語る音田氏からは医師として、患者を思うプライドを感じた。

 もちろん、この音田氏の顧客ファーストは心理面にも配慮され、クリニックとしても共有されている。例えば手術翌日のシャンプーには、専門のスタッフがおり、洗髪室も備えている。

「植毛後、髪の毛を洗うことは誰もが怖いと感じるでしょう。

傷口を洗浄する意味でも、植毛した翌日は、当クリニックで専門のスタッフが髪の毛を洗います。植えるだけではなく、最終的にはきちんと生やしてあげることがミッションですから」

 多くの患者が気にする「痛み」や「バレ」というリスクを軽減し、「効果」を最大化してくれる技術や企業努力はすべて「患者ファースト」のマインドから来ている。
 これは実際に施術を受けた経験もあるカウンセラーを含めた専任スタッフと医師による「ダブルカウンセリング」というシステムにも反映されている。
 ちなみに、カウンセリングではどのような話をするのだろうか。

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「いいことばかり言っても仕方がない。様々な条件を総合的に勘案して『今のあなたには、ここまでできますよ』と、最善案を納得して頂けるようにお話するようにしています。選ぶのは患者さん自身です。もちろん、コストの問題もありますので、例えば複数回にわけるという方法を提案することもあります」


■薄毛革命。髪で人生が変わる

 人生100年時代を迎えた昨今、音田氏のもとには老若男女が訪れる。最高齢で83歳の患者が来たこともあったという。薄毛に定義はなく、髪の悩みは人によって異なるのだ。
 声が明るくなる、服装が変わる。

自信が増す。これらは多くの人に共通する術後の変化だというが、音田氏にとって感慨深いのは「はじめて彼女(彼氏)ができた」「自信がついて、姿勢がよくなった」「再婚することになりました」という、まさに人生が変わった話を聞いた時だという。

 髪の悩みは多くの場合、何らかの心理的な痛みを抱えていることが多い。
 自毛植毛は、髪を増やすわけではなく、自身の毛を再分配し、患者にあわせて髪の毛をデザインする方法だと言える。そして、この「デザイン」とは髪の毛だけではなく、その人自身の人生を変化させるためのデザインにも思える。

「私たちもさらに腕を磨きながら、患者ファーストを徹底していきます。それと同時に、夥しい情報が溢れる今、私たちがやっていることをしっかりアピールしていきたいと考えています。薄毛に悩む方にはどうか勇気を出して、クリニックのドアを叩いてほしいですね」
 

 自分がそうだと感じたら、そこがアクションを起こすタイミングだ。情報の取捨選択をしっかりと行えば、あなたの人生を豊かにしてくれるクリニックは存在する。
 本稿が、薄毛に悩む方にとって一助となれば幸いである。

植毛の進化論! 情報があふれる薄毛治療において何が正解なのか?「自毛植毛」最前線の医師に聞く
 
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