みなさん、こんにちは。ヨガトラベラーの土屋愛です。
体重が減るだけでなく、肌ツヤも良くなり、さらには記憶力まで高くなると言われているファスティングやジュースクレンズ。
クレンズには“浄化する”という意味があり、その言葉通り体の中の毒素を浄化してくれます。今回は、巷で話題の南米の秘薬・フタイロネコメガエルの毒を使った浄化の儀式をご紹介します。すさまじい体験をしてきましたので、さっそく皆さんにその内容と効果をお伝えします。
■感情を消化する“胆汁”を吐き出す
今回行った浄化の儀式は日本語では「カンボ蛙治療」、英語では「Kambo ceremony」と呼ばれます。皮膚に中度の火傷をさせた後、その箇所にアマゾン流域に生息するフタイロネコメガエルの皮膚から分泌される毒を塗りこむことで、体内に吸収させます。そして、その毒が体内に流れることで胆汁を吐き出すという儀式です。
主な効果としては、免疫力強化・高血圧・糖尿病・ネガティブなエネルギーの浄化が挙げられます。
かつて南米ペルーのとある部族で謎の病が流行し、命を落とす村人が続出。
まず、儀式の予約をする段階で健康状態を確認されます。
・深刻な心臓病はないか・血栓はないか
・うつ病や精神病はないか
・抗癌剤使用中ではないか
・授乳中ではないか
・てんかん持ちではないか
・低血圧の薬を服用していないか
・薬物やアルコール依存ではないか
・ファスティング中ではないか
そして儀式の三日前からは食事制限を指示されます。赤身肉・アルコール・カフェインの摂取を避け、前日の夜はスープやジュースなど流動食のみで胃に食べ物がない状態にしておかなければなりません。
スピリチュアルな儀式は月の周期と密接に関係しているようで、私が儀式に参加した2019年12月26日は日食のときでした。日食には、手放す・終わらせる・生まれ変わるという意味があり、スピリチュアルな体験をしやすい日としても知られているようです。今回の儀式は、ちょうど日食が始まる時間にスタートしました。

ニューヨーク出身のシャーマン・RichD’Amaruさんから儀式の説明を受けます。リンパ節に沿って皮膚を火傷させ、その上に毒を置くことで体内に吸収させる。必ずといっていいほど参加者全員が気持ち悪くなって吐いてしまいます。その吐瀉(としゃ)物のほとんどは胆汁(たんじゅう)です。
肝臓で作られ、胆のうで貯蔵される胆汁は、“感情を消化する役割”もあると言われているそう。食べた物は消化するために胃へと運ばれますが、それと同じように、感情も胃から肝臓へ運ばれ、胆汁を使って消化していくそうです。緊張すると胃が痛むことがあると思いますが、感情と臓器は密に繋がっているんですね。
「タオイズム(道教)」では、ひとつひとつの臓器にそれぞれ異なる感情が貯蔵されると信じられています。カンボ儀式の効果が高い理由はこの胆汁クレンズにあるとのこと。今まで胆汁を吐いたことは一度もないので人生最大のデトックスになりそうです。
実際に毒が効くピークは約15分~20分後とのこと。この儀式を行っている最中は、手や顔の感覚がなくなったり、目が一時的に見えなくなったり、気絶する人もいるそうですが、今さら後戻りはできません!
次第に早くなる呼吸を落ち着かせながら儀式に挑みます。

いよいよ儀式開始です。木の棒を燃やし、皮膚を火傷させます。当たり前ですが、これがとってもアツイ! 呼吸に合わせて4箇所を焼かれました。焼けた皮膚を取り除き、木の板に塗られたカンボ(毒)をシャーマンが小さく丸めると、ついに毒盛りが始まります。
1つ目はなんてことはなかったのですが、2つ目からは焼けるような熱さを感じます。生まれて初めて、リンパの循環の早さを体感しました。こんなに早く全身に回るとは驚きです。毒盛りから30秒後、本格的に気持ち悪くなりました。体に力が入らなくなり、手の感覚も次第に弱くなり始め、顔がチクチクしてきます。
早く水を飲めば飲むほど、ラクになるのも早くなるそうで、シャーマンにどんどん水を飲むように言われます。この時点ではすでに水をひと口飲むのもツラいほど気持ち悪く、すぐにでも横たわりたいところですが、毒が効いているうちは顔を心臓よりも高い位置で保たないと顔がパンパンに腫れてしまうので必死にガマン…。
吐きそうなのに吐けないという一番ツラい状態です。
さらに追い打ちをかけるようにお腹も膨れて痛くなってきます。お腹を下した時のあのキリキリする痛み。吐きながら同時にトイレに行くことも絶対に無理な状況。ますますパニック状態に陥ります。
しかも儀式開始と同時に一定のリズムで繰り返されるシャーマンの歌がより一層、頭をグルグル、グルグル回します。
■想像以上にキツイ儀式中は…

「どうしよう…」
「大丈夫かな…」
「気持ち悪い…」
「歌やめてくれ…ないかな…」
頭の中はずっとこの繰り返しです。次第に目も回ってきて…とうとう吐きました!
食べ物は一切胃の中にないので、吐くこと自体はそこまでツラくありません。一度吐くと少しはラクになりますが、またすぐに気持ち悪さが襲ってきます。
毒の効き目がピークに達している頃、シャーマンの歌もだんだんと盛り上がっていきます。目を開けることさえもツラい状態で、とにかく苦しみながら嘔吐を待ちます。写真で伝わるかわかりませんが、唇が腫れているのが感覚で分かります。歯医者さんで麻酔をしてもらった時のアノ感覚。
しばらくするとお腹の痛みは少し落ち着き、あとは胆汁を吐き切るのみです。ここでさらに最後の水をガブ飲み。儀式開始から約30分。大量の嘔吐を3回繰り返した後、毒を取ってもらい、ようやく横になっても良いと言われました。

毒を取ってもらってからは、今までの気持ち悪さがまるで嘘だったかのようにラクになりました。この日は1日気持ち悪さを引きずるつもりで参加したので、こんなにスパっと気持ち悪さが解消されるとは思いませんでした。

儀式後は、頭の中がかなりクリアになり、お腹のすっきり感、そして肌ツヤに効果を感じることができたのはもちろん、儀式が始まる前にシャーマンに言われた言葉が理解できました。
「カンボ儀式は自分自身への贈り物です。自分と向き合い、ネガティブな感情を浄化することでもっと自分を愛せるようになります。そうして初めて違う誰かの事も大切にできるのです。」
心理カウンセリングなど、過去のトラウマや消化できていなかった感情をリリースするセラピーはたくさんあります。そのほとんどは、言葉を使って考えたり、書き出したり、ツラかった出来事を振り返って向き合い、浄化するアプローチをとります。
シャーマンのRichD’Amaruさん曰く、カンボ儀式の良い点は「ただ吐き出す事に集中できること」だそうです。母親が、父親が、彼氏が、彼女が、あー言ったとかこう言ったとか、浄化のプロセスに物語を持ち込む必要がない。
確かにその通りでした。ただただ苦しい思いしかありませんでしたが、乗り越えた後の幸福感はそれはもう本当に素晴らしいもの。過去を振り返る気もおきませんでしたし、将来を考える事もありませんでした。
体がスッキリして頭の中は空っぽ。その感覚を楽しむだけというシンプルさ。シャーマニズムと聞くとどうしても「怪しい」「危険」「オカルト」というイメージが先行しがちです。実際に、私も儀式参加の前にはかなり念入りに下調べをしましたが、今回こうしてシャーマンと会い儀式に参加した事で、「経験から得る感覚」に勝るものはない事を再確認しました。やっぱり、頭で考えた事で決めつけてしまってはダメなのです。
いかがでしたか?
お洒落なボトルに入ったジュースクレンズとは程遠い、エクストリームな胆汁クレンズ。シャーマニズムでは、やってみたい、体験してみたいと思う気持ちを “コーリング=呼ばれてる” と言います。コーリングを感じた方は、参考にぜひ一度、実際の儀式の動画もご覧になってください。
それではまた近いうちにお会いしましょう。
「ナマステ!」