「国宝」という言葉が誕生したのは、今からちょうど120年前の明治30年(1897)のこと。「すべてが国宝、数十年に一度というレベルの展覧会」と、大きな話題を集めている「国宝展」(場所/京都国立博物館)が開かれるなど、今、国宝への関心が高まっている。
9月25日発売の『日本の宝』(KKベストセラーズ)から、「国宝びっくり豆知識」を紹介する。 

Q国宝の数はいくつある?

美術館以外で一番国宝を所蔵しているのは?の画像はこちら >>
写真を拡大

 国宝は合計で1101 件指定されている(2017 年8 月現在)。「美術工芸品」と「建造物」の2 分野に大きく分かれ、「美術工芸品」が878 件、「建造物」が223 件。

「美術工芸品」の分野はさらに7 種類に分けられ、「絵画」160 件、「彫刻」131 件、「工芸品」253 件、「書跡・典籍」225 件、「古文書」60 件、「考古資料」46 件、「歴史資料」3 件という内訳。重要文化財(国宝含む)が合計で1 万3128 件指定されているので、国宝の割合は約8% となる。


Q国宝が多い都道府県は?

美術館以外で一番国宝を所蔵しているのは?
写真を拡大

 現在、一番国宝が多い都道府県は東京都で、その数は277 件(2017 年8 月現在)。東京国立博物館をはじめ、博物館や美術館が多いことがその理由だろう。また、個人所有の国宝も比較的多いこともある。

 次に多いのは、京都府で232 件、奈良県で201件となっている。

 一方で、国宝が一つもない都道府県は、徳島県と宮崎県の2 県。それぞれ重要文化財を所持しているので、今後それらが国宝に格上げされる可能性はある。

Q博物館、美術館以外で一番国宝を所蔵しているのは?

 国宝所持数トップは、奈良県の法隆寺。

建造物が18 件、美術工芸品が20 件の合計38 件が指定されている。

美術館以外で一番国宝を所蔵しているのは?

 建造物には、世界最古の木造建築物で世界遺産にも登録されている『金堂』や『五重塔』、美術工芸品には『四騎獅子狩文様錦』などが含まれている。

 2 位は同じく奈良県の東大寺で合計31 件、3 位も奈良県の興福寺で26 件と、トップ3 は奈良県の寺院が独占している。

監修:京都国立博物館
〈『日本の宝』より構成〉

編集部おすすめ