そこで、日本サウナ・スパ協会の技術顧問・中山眞喜男さん解説のもと、サウナの正しい入浴方法をご紹介する。◆かけ湯をするだけで発汗がスムーズになる
日本サウナ・スパ協会が推奨するサウナ利用の最適な頻度は、1週間に2回程度。生活のなかにサウナ浴を取り入れるのが理想的だ。
1回のサウナをより効果的、あるいは安全に入るために、入り方の基本があると中山さんは言う。
「全身をよく洗ってから入るのは風呂でかけ湯するのと同じでマナーの意味合いもありますが、発汗をスムーズにします。意外と知られていないのがサウナで横になること。リラックスした状態であることが望ましいので、室内が空い
ていれば、ごろりと横になってみるのも良い気分ですよ」。
中山さんによればサウナ利用の仕方で気になる人もいるという。
「水を飲んでからサウナに入る人を見かけますが、飲んだ水分を蒸発させるだけで老廃物が出ない。できれば、水分補給はサウナ後にしましょう。また、水風呂は汗を落としてからゆっくり入る方が安全。マナーとしても必要です」。

下段から次第に上段に移るのが おすすめ。下段は70 ~ 80℃、上段は90℃くらい。腰かけている場合だと、足元は約70℃、腰のあたりは80℃、顔のところは90℃くらいになる。

一般的に入浴時間は8分から12分程度で十分。15分以上入るとかえって疲労するといわれている。また、初心者や健康に自信がない人は、少し短くして自分に合った入り方をしよう。

心臓に遠い手や足の先から徐々に水をかけ、最後に顔や頭に水をかぶって、汗を洗い流す。それから静かに水風呂に入る。いきなり水風呂は心臓に負担。

終わりにシャワーか水風呂で身体の熱をとる。汗をよく流し、全身をよく拭くように心がける。この身体が温まった状態で全身・足裏マッサージなど、ボディケアを受けるとより効果的。

入浴を終えたら水分を補給する。気づかないうちに身体が冷えてしまうこともあり、タオル等にくるまって横になり30分くらい安静にして休養する。よくほてりを冷ましてから着替える。 ◆室内の温度差を利用して目的別に座る場所を変える
サウナを利用する理由は、人それぞれ。リフレッシュしたい人もいれば、仕事の疲れをとるため、美容や健康づくりで入る人もいる。
「サウナの中は階段状になっています。上段と下段で温度が違うので、体調や目的によって座る位置を使い分けると良いですね。疲労回復や筋肉痛、美容は上段。
さまざまな効果が期待できるサウナだが、入浴時の注意点もある。
「健康上に問題があるなら医師との相談も必要です。高血圧の人の長時間の高温入浴や、生活習慣病の人のサウナと水風呂の繰り返し、泥酔状態での利用は危険です」。
体調や体質を考慮しながら、快適なサウナライフを満喫しよう。

〈雑誌『一個人』2018年2月号より構成〉