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■政治家に必要な資質

 今の時代、偉大な政治家など誰も求めてはいない。

 社会正義が完全な形で実現されるとも考えていない。

 そんなものに期待するほど、暇でもアホでもない。

 むしろ、英雄待望論は危険だ。

 その程度は、われわれは歴史に学んできた。

 私は、政治家には必ずしも高度な能力は必要ないと思う。

 政治家に必要なのは「常識」だ。

 人ときちんと会話をする。

 義務教育レベルの知識は抑えておく。

 嘘をつかない。

 行儀よく食事をする。

 社会に害を及ぼすような行為は慎む。

 政治家は高邁な理想を語る前に、常識人であるべきだ。

 しかし、この平成の30年間にわたり、政治家は「改革」の名のもとに自分たちの足場を破壊することにより急速に劣化し、バカが総理大臣になり、普通ではない人たちがその周辺を固めることになった。

 安倍晋三が2期6年で何をやったのか?

 ひとことで言えば、国家の破壊である。

 シンプルな売国である。

 放送局の外資規制の撤廃や配偶者控除の撤廃、水道事業民営化を目指し、TPPを推進。ロシアにカネを貢いだ上、北方領土の主権を棚上げした。日韓基本条約を蒸し返して韓国に10億円を横流しし、村山談話・河野談話を踏襲。

「移民政策はとらない」と大嘘をつきながら、国の形を完全に変えてしまう移民政策を推し進めた。結果、日本は世界第4位の移民大国になっている。

 安倍と安倍周辺の一味は一貫して嘘をつき、社会にデマをまき散らしてきた。

■ロシア政府か安倍のどちらかが、大嘘をついた!?
「もう、いいよ」安倍首相に伝えたい、たった一つの言葉の画像はこちら >>
 

 2018年9月10日、国際会議「東方経済フォーラム」で平和条約締結や北方領土問題について「アプローチを変えなければならない」と呼びかけた安倍に対し、プーチンは、平和条約締結後に二島の引き渡しを明記した日ソ共同宣言に言及した上で、「前提条件をつけずに年内に平和条約を締結し、すべての問題の議論を続けよう」と答えた。

 え!?

 これは日本とロシアが積み重ねてきた交渉のすべてを反故にするものだ。

 当然、日本のトップなら、毅然とした態度で「冗談ではない」と言わなければならない場面だった。

 しかし、安倍はなぜか満面の笑顔をつくり、ヘラヘラと笑っていた。

 外務省も慌てただろうが、後の祭り。バカに総理をやらせるからこういうことになるのである。

 この安倍の態度が大きな問題になると、安倍は「プーチン氏の平和条約締結への意欲の表れだと捉えている」と支離滅裂な説明をはじめ、さらにはNHKの番組で、プーチンに対し、「北方領土問題を解決した上で平和条約を締結するのが日本の原則」だと直接反論したと発言。

 しかし、ロシアのペスコフ大統領報道官は、それを否定。ロシア国営テレビのインタビューで、「プーチン大統領が前提条件なしの年内の日本との平和条約締結を安倍晋三首相に提案した時、安倍首相本人からは何の反応もなかった」と証言した。

 要するに、ロシア政府か安倍のどちらかが、大嘘をついたということだ。

 ロシア側が嘘をつく理由はない。

 いつものように、安倍がその場をごまかすために嘘をついたのだ。

 安倍の息がかかった日本のメディアの情報を鵜呑みにする人々と違い、国際的には安倍は利用しがいのある「ホラ吹き」とみられている。

 沖縄県沖で米軍嘉手納基地所属のF15戦闘機が墜落。これに関し、安倍は国会で「(飛行)中止を申し出た」(2018年6月25日)と述べたが、これも真っ赤な嘘だった。

 こうした安倍の言動を、トランプやプーチンがどのように観察しているかである。

 弱者を叩き、強者に媚びる。国内では女性議員に対しキャンキャン吠える一方、トランプやプーチンには全力で尻尾を振る。

 プーチンがわざと会談に遅刻しても、安倍は満面の笑みを浮かべ、女の子走りですり寄っていく。目の前でひっくりかえって腹を見せる。もちろん、上納金も忘れない。

■「第二の敗戦」

 もはや、売国奴ですらない。

 国土に熨斗をつけて献上するのだから、献国奴である。

 安倍が北方領土を放り投げようが、沖縄県民を敵対視しようが、いまさら驚かないが、こんな絵にかいたような国賊を支持する日本人がいることが、本当に恥ずかしい。これは第二の敗戦だ。結局、日本人は反省しなかったのである。

 テレビ番組に出演した安倍は、加計学園理事長の加計孝太郎とゴルフや会食を重ねていたことについて、キャスターの星浩から「学生時代の友達でも、金融庁幹部とメガバンクの頭取はゴルフをしてはいけない(だろう)」と追及されると、安倍は「星さん、ゴルフに偏見を持っておられると思う。いまオリンピックの種目になっている。ゴルフが駄目で、テニスはいいのか、将棋はいいのか」と言い出した。

 ここまでくると、安倍には悪意すらないのかもしれない。

 われわれの社会は、究極の凡人を総理の座に担ぎあげ、6年にわたり放置してきた。

 その結果が、現在の日本の惨状だ。

 恥を知らない国は滅びるしかない。

 では、こうした状況下において、われわれはどのように生きるべきなのか?

 先日刊行した『もう、きみには頼まない 安倍晋三への退場勧告』では、日本社会の病の根について、いろいろな角度から考えてみた。また、ジャーナリストの菅野完氏との対談では、「安倍化する日本、橋下化する社会」と題して、現在の日本の末期症状を描写した。

 安倍晋三に伝えたい言葉は一つである。

「もう、いいよ」

(敬称略)