「安室の独立は間違いないでしょう。でも、安室ほどの大物でも、大手事務所を離れると相当厳しくなる。田原俊彦の例を考えるとわかりやすい。田原はジャニーズ事務所から独立するまで、毎年連続テレビドラマで主演を張って、主題歌も歌っていた。『抱かれたい男ナンバーワン』に輝くなどイメージも良かった。それなのに1994年にジャニーズを離れると、一気に情勢が変わりました。同年、長女誕生記者会見で、本人がギャグのつもりで『僕くらいビッグになると』と口にすると、その言葉尻だけを捉えられ、ワイドショーや女性週刊誌を中心にバッシングが始まった。それまでも、田原はテレビなどで自身のことを『ビッグ』と冗談でよく言っていました。同じ言葉でも、これほどまでに捉えられ方が変わるものかと思いましたね。ジャニーズ所属のままであれば、あのようなバッシングは起こらなかったでしょう」
実際に田原は独立以降、連ドラの主演は途絶え、曲もヒットしなくなった。
「郷ひろみのように大手事務所に移籍すれば別ですが、ジャニーズは基本的に独立した人間と所属タレントの共演を許さない。そのため、歌番組はおろか、テレビ番組の出演も激減しました。最近になり再ブレイクしていますが、安室にも同じようなことが起こる可能性が強い。後ろ盾がなくなることで、スキャンダラスな記事が増えるでしょう。そうなれば、これまでのイメージが一気に崩れかねない。メディア露出も大幅に減るでしょう」(同)●カギはファンクラブ名簿?
独立する際、ポイントになるのはファンクラブの名簿だという。個人事務所を立ち上げる場合、ファンクラブは一度解散し、新事務所で新たに募集するかたちになるが、田原が厳しい境遇に追いやられた背景には、ジャニーズからファンクラブの名簿をもらえなかったことがあるという。
「当時はまだインターネットのない時代でしたから、ファンはハガキなどで案内をもらわないと、新しいファンクラブへの入り方がわからない。だから、名簿は重要でした。ファンは田原のテレビ出演の際に、わずかに出る『ファンクラブ入会募集』のテロップ告知の住所などを必死にメモしなければならない。情報が限られていた時代でしたからね。ファンクラブはもちろん熱心な人が入りますが、なかにはなんとなく継続しているライトな層もいる。
田原の独立した20年前とは、芸能人を取り囲む状況も大きく変化してきた。安室は今後、どうなるのだろうか。
「以前から、安室はライジング・プロに所属しながら個人事務所を持っている。稼ぎのある芸能人なら、節税対策として誰でもやること。明石家さんまやタモリも大手事務所に所属しつつ、個人事務所を持っています。問題は、ファンクラブの管理をライジング側がしているのか、安室側がしているのか。ライジング側が管理していて、『もう一度入り直さないといけない』となると、これを機に退会する人もかなり多くなるでしょう。
しかし、今はネットの時代になり、手軽に情報が入るようになった。
果たして安室は独立後の活動を占うファンクラブ名簿を手にすることができるのか、多くの熱心なファンにとっては気になるところとなるだろう。
(文=編集部)