先月18日に救急搬送され病状が心配されていた、ジャニーズ事務所社長のジャニー喜多川氏。同社は7月1日、「解離性脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血」で現在も入院中と公表し、同日に会見を開いた嵐が所属タレントとして初めてジャニー氏の現状に言及した。
嵐はこの日、「ARASHI EXHIBITION“JOURNEY” 嵐を旅する展覧会」の会見場に登場し、リーダーの大野智ではなく松本潤が「6月18日に弊社の社長、ジャニー喜多川が病院に緊急搬送されました」と報告。嵐のメンバー5人は翌19日にジャニー氏を見舞ったといい、「その後もそれぞれ時間があるときに、なるべくジャニーさんの病室に通っているような現状」だと明かした。
松本は続けて、「今はジャニーさんが1日も早く元気に回復してくれることを祈っています」とコメント。「皆様には今は静かに温かく見守っていただければと思っておりますので、なにとぞよろしくお願い致します」と呼びかけ、5人全員で頭を下げた。
「事務所の社長の病状を所属タレントに発表させるという形式には、かなり違和感を覚えました。特にジャニーさんはタレントにそのようなことをやらせるのを嫌がる人なので、ジャニーさんの目が光っていた頃であれば、絶対にあり得ない選択肢です。(藤島)ジュリー(景子副社長)さんや事務所幹部が会見をするなり、マスコミ各社にFAXを流すというのが一般的な対応でしょう」(スポーツ紙記者)
異例なかたちでの発表となった理由について、テレビ局関係者は語る。
「ジャニーさんが倒れた週の週末、23日の日曜日に事務所からなんらかの発表がなされるのではないかとみられていましたが、結局は行われなかったため、事務所はこのまま何も発表せずに“スルー”の姿勢を貫くのではないかという見方も出ていました。しかし、一部では死亡説まで飛び交う事態となり、正式に発表せざるを得ないという判断になったのでしょう。
もしタレントに発表させるのであれば、ジャニタレ“2トップ”のヒガシ(東山紀之)かマッチ(近藤真彦)が順当ですが、なぜ嵐になったのか。それはやはり、ジュリーさんがマネジメントを担当してきた嵐が“ジャニタレのトップ”だということを、事務所創業者の入院という危機に際し、改めて内外に示すためでしょう。
ここ数年で事務所経営の実権を握ったジュリーさんのやり方や手腕に対して、事務所内外から疑問の声が上がっているのは事実です。
さらに、ジャニー氏の入院、そして今回の嵐による発表は、ある大きな可能性を示唆しているという。
「ジャニーさんが“後継者”と認めるタッキー(滝沢秀明)が昨年いっぱいで芸能活動を引退し、1月にジャニーズJr.約300人の育成を担う関連会社、ジャニーズアイランド社長に就任。現在は裏方としてタレントの売り込みやマネジメント、さらには舞台のプロデュースなどに奔走していますが、若手の発掘や育成に熱心ではないジュリーさんとタッキーの間の断裂は、もはや隠しようがないレベルです。
そして、タッキーの若手育成重視の考えに賛同して強力にバックアップしているのがヒガシであり、ヒガシとジュリーさんの確執も事務所内では囁かれている。事務所内でジュリー派と滝沢派の対立が顕在化するのは時間の問題だという声すら聞こえてきます。
さらには、3年前に事務所の稼ぎ頭だったSMAPが解散し、KAT-TUNや関ジャニ∞、TOKIOの解散説、中居正広や堂本剛の退所説なども相変わらず燻り続けるなか、ジャニーさんに“もしも”のことがあれば、事務所は空中分解しかねない。
こうした危機を乗り越えるためにジュリーさんは、来年いっぱいでの活動休止を発表している嵐に、休止を撤回させる布石として、嵐にジャニーさんの入院を発表させたのではないか、と言われています。つまり“ジャニーさんのために活動を継続する”という美談を仕立て上げようとしているのではないか、と言うのです。もしそうなれば、事務所としては願ったり叶ったりでしょうが、今の状況で嵐が予定通り活動休止するのは現実的に難しいという声が業界内で聞こえ始めているのも事実です」
もしジャニー氏の病気が嵐の活動継続に利用されるのだとすれば、ジャニー氏は、そしてファンはどのような思いを抱くのだろうか。
(文=編集部)